サグラダ・ファミリア、イエスの塔ついに完成 なぜ建設長期化?田中ゑれ奈印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

[PR]

建築家アントニ・ガウディの代表作で、144年にわたって建設が続けられているスペイン・バルセロナの世界遺産「サグラダ・ファミリア」。そのメインタワーである「イエスの塔」が完成し、ガウディ没後100年を迎える6月10日に記念式典が開かれます。サグラダ・ファミリアとはどんな建築物なのか、なぜ「未完の聖堂」と呼ばれるのか。ポイントをまとめました。記事のポイント(1)ガウディ死後も建設継続(2)数々の困難で建設は長期化(3)革新的な構造、日本人彫刻家も参加(4)世界で最も高い教会に(5)完成見込みは2035年ごろ(1)ガウディ死後も建設継続 正式名称は「サグラダ・ファミリア贖罪(しょくざい)聖堂」で、イエス、マリア、ヨセフの聖家族(サグラダ・ファミリア)に捧げられている。1882年に着工し、翌年にガウディが2代目建築家に就任。18本の塔と三つの正面(ファサード)を持つ壮大な聖堂として構想した。だが1926年、ガウディは仕事を終えてミサへ向かう途中で路面電車にひかれ死去。その後も彼の残したビジョンに従って建設は進められ、2005年にバルセロナ周辺にある他のガウディ作品とともに世界遺産に登録された。(2)数々の困難で建設は長期化 ガウディが建築家に就任した時点では10年で完成させる予定だった。しかし、財源不足をはじめいくつかの理由から、建設は今なお続いている。 聖堂の建設母体は、貧しい市民による民間団体「聖ヨセフ信心会」。会員たちの月々の献金や寄付を財源として着工したが赤字が続き、巨額の献金に恵まれる機会もあったものの、そのお金は聖堂の完成ではなく壮麗な「降誕の正面」の建設に費やされた。 自らの手で聖堂を完成させることを諦めたガウディは、精密な図面や模型で後継の建築家たちにアイデアを伝えようとした。だが、1936年に勃発したスペイン内戦で模型は破壊され、図面は焼失。わずかな資料と口伝えを頼りに設計案を復元しながらの建設は困難を極めた。 一方、1990年代以降はコンピューター解析の導入、観光客急増による入場料収入の増加で建設スピードは急加速。サグラダ・ファミリアの公式発表によると、2025年の総収入は1億3450万ユーロ(約250億円)で、うち51.7%が建設費に充てられるという。かつては300年かかると見積もられていた聖堂の完成が見えてきた。(3)革新的な構造、日本人彫刻家も参加 真上から見ると、伝統的なカトリック教会の形式にのっとったラテン十字形。放物線やらせん形など自然界に存在する曲線を建築に応用することで、従来のゴシック建築と違って内部の柱だけで荷重を支える革新的な構造を実現している。 外観は12使徒と4福音書記…この記事は有料記事です。残り1068文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人田中ゑれ奈文化部専門・関心分野美術、ファッション、ジェンダー関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする