上田学印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
[PR]
真新しい高層ビルが立ち並ぶ東京・三田の一角に、ごつごつとしたコンクリートむき出しのビルが立つ。打ちっ放しに幾何学模様をちりばめたようなデザインが特徴で、スペインの未完の教会になぞらえ「三田のサグラダ・ファミリア」とも呼ばれる。日々、手作業で築き始めて20年余り。今春、ついに完成した。 手がけたのは、1級建築士の岡啓輔さん(60)。陸海空の生き物に、近代建築の巨匠ル・コルビュジエの名を取って「蟻鱒鳶(アリマストンビ)ル」と名付けた。地上4階、地下1階建て、高さ12メートルほどの鉄筋コンクリートのビルだ。地下は美術品を展示するギャラリー、1階は貸店舗、2階以上を自宅にする予定だ。3月10日に建築基準法に基づく「完了検査」を通過し、区切りがついた。 建て始めたきっかけは結婚直後に妻から掛けられた何げない言葉だった。「家の設計できるんだよね?」「大工仕事もできるんだよね?」「じゃあ、私たちが住む家を作ってよ」。30歳で建築士免許を取得したばかりで、同年代の建築家たちの活躍に引け目を感じていた頃だった。 都内を探し回って、2000年9月に約40平方メートルの土地を1550万円で買ったが、家をどう建てるかは探りあぐねていた。慕っていた建築家の石山修武氏が開いたワークショップに参加し、その場で設計から施工まで自身でこなす「セルフビルド」(自力建設)というアイデアがひらめいた。石山氏からも「それでいけ」と背中を押された。 05年11月に作り始めた。当初は3年くらいのつもりだったが、スコップとツルハシを使って地下を掘るだけで1年半かかった。鉄筋を組む、コンクリートを型枠に流し込む……。友人をはじめ、SNSで知り合った人たちも手伝ってくれて、その数は100人以上にのぼった。「即興」のデザイン 頭で考えるより先に体を 細かな設計図はない。作りな…この記事は有料記事です。残り961文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人上田学ネットワーク報道本部|首都圏ニュースセンター専門・関心分野都市再開発、まちづくり、消費者問題、教育、福祉・介護関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






