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「めざせ世界一」を掲げる日本球界の常勝軍団は、21歳のスラッガーを振り向かせることはできなかった。 米スタンフォード大の佐々木麟太郎が19日、今月にあった大リーグのドラフト会議で8巡目指名されたマーリンズ入りを表明した。 同時に、昨秋の日本のドラフトで1位指名したソフトバンクは佐々木を逃すことになった。 球団には18日に佐々木の代理人から断りの連絡があり、19日には佐々木からも直接、コンタクトがあったという。 ソフトバンクの三笠杉彦GM(ゼネラルマネジャー)は悔しさをこらえ、「その決断は本当に応援したいなというふうに考えています」と語った。 城島健司CBO(チーフベースボールオフィサー)は「彼が今後世界的な名選手になってくれれば、我々の評価も正しかったという証明になります」などとコメントした。 球団で1位指名選手の入団がかなわなかったのは、ダイエー時代、1989年の元木大介以来だ。 当時は福岡に移転して最初のシーズンを終えたばかり。チームの強化にとりかかったところで、魅力的な球団かと問われると、そうではなかったかもしれない。セ・パ両リーグの人気にも格差があった。 巨人入りを熱望する元木を翻意させることはできず、元木は1年の「浪人」を経て、翌年のドラフト1位であこがれのユニホームを着た。 あれから35年以上が経ち、球団は変わった。 親会社がソフトバンクとなり、豊富な資金力で、戦力と球場施設は12球団随一と言われるようになった。2011年以降、日本シリーズ制覇は8度を数える。 今回の佐々木の1位指名は球団の価値を高める「新たな挑戦」だった。 もともと、佐々木は大リーグ志向が強かった。昨秋時点で、翌年の大リーグのドラフト対象になることもわかっていた。 それにもかかわらず、「世界一」をめざす球団がその年のナンバーワンと評価する選手を指名するという姿勢を貫いた。 日本球界を取り巻く状況も大きく変わった。選手たちが大リーグをめざす流れは止められない。 佐々木のように、日本のプロ野球を経由せずに海を渡る選手も増えるだろう。 この時代の流れの中で、今後、ソフトバンクはどんな選択をするのか。 個人的には、日本球界の発展のためにも、競争相手が大リーグの球団だとしても、挑戦を続けてほしいと思う。 三笠GMは「メジャーリーグに負けず劣らずの環境」をめざすことを改めて誓った。