インタビュー米国の自由主義は失敗した ポスト・リベラルの支柱が語る保守の行方聞き手・池田伸壹印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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7月4日に建国250年を迎える米国。その国家の背骨ともいえる自由主義は失敗したのだ――そう説くのが、米国のポスト・リベラル思潮を先導する政治学者で、J・D・バンス副大統領の思想的支柱とも目されるパトリック・デニーン氏だ。初来日を機に応じた単独インタビューで語った、トランプ政権の背後にある米国思想の地殻変動とは。 米国社会や保守陣営に何が起きているのか、「トランプ後」に向けたバンス氏への期待とは、初訪問した日本で感じたポスト・リベラルの可能性とは。記事後半には、デニーン氏と対談した政治学者・宇野重規さんが日本への示唆を語るインタビューも掲載しています。左派も右派も「まるで共犯」 ――2018年の著書「リベラリズムはなぜ失敗したのか」は大きな反響を呼びました。いわゆる左派リベラルに限らない「自由主義」の失敗を論じていますが、どういうことでしょうか。 「自由主義が危機に瀕(ひん)しているのは、その理念を実現できなかったからではありません。むしろ、完全に成功したからこそ失敗したのです」 「過去数十年間、米国の左右両派は、まるで共犯関係にあるかのように『個人の解放』を推し進めてきました。左派は社会や文化の面で、右派は経済の面で。それぞれ、伝統や地域共同体のくびきから、個人を切り離すことを優先課題としました」 「民主、共和の両党が自由主義を訴え、米国民には事実上、それ以外の選択肢がありませんでした。その結果、かつて健全だった中産階級や地域社会は破壊され、歩いて生活できる安全な街はぜいたく品となり、私たちは、歴史上最も孤独な社会を生きています」 ――あなたの批判の対象は、現代の自由主義にとどまりません。米国では、保守もリベラルも「自分たちのほうが建国の(自由主義の)理念に近い」と争うのが常道だと、私たちは理解してきましたが。 「ご指摘の通り、米国の政治論争は通常、建国期の解釈をめぐる争いとして展開されることが多い。しかし、私はもっとさかのぼる必要があると考えています」「人間観そのもの」を見直す必要が 「米国の自由主義は、177…この記事は有料記事です。残り5321文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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