ストーリー山野健太郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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ビールの苦みや香りを生み出し、泡立ちにも影響する「ホップ」。国内では北海道や岩手など緯度が高く涼しい地域で主に生産される植物が、南国の宮崎でも栽培されている。背景には原材料100%の地ビールにこだわった社長の強い思いがあった。 「絶対に無理だ」。2016年、宮崎県延岡市の永野時彦さん(57)はドイツ・バイエルン州のホップ生産者から断言された。 地元のクラフトビール醸造会社「宮崎ひでじビール」の経営を継いで5年余りがたっていた。原材料100%の地ビールを製造するために最後の壁として残ったのがホップ。暖かい九州でも育つ品種や栽培をどうしたらいいのか――。世界的な産地のドイツで栽培方法を尋ねたが、即座に否定された。 ホップはアサ科のつる性の多年生植物で、雌花がビールに欠かせない原料の一つとして使われる。海外がダメならばと国内産地の岩手県遠野市を訪れた。しかし、そこでも「九州で成功した話は聞いたことがない」と止められた。 宮崎ひでじビールは1994年の地ビール製造解禁を受けて創業した。だが、当初の地ビールブームが去ると経営が厳しくなっていた。追い打ちをかけたのが、2010年から11年にかけて宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)や鳥インフルエンザ、新燃岳の噴火だった。観光業や飲食業が影響を受け、ビールの出荷も激減した。自社栽培を決断、担当者は「マジか…」 地元の農業生産者を応援しようと「宮崎農援プロジェクト」を始めた。かんきつ類の日向夏やキンカンを使ったビールを考案し、県内産大麦の生産も始めた。宮崎産100%のビールを造るために地元産ホップが必要だった。 「失敗前提で取り組もう」と周囲の反対を押し切って自社栽培を決断。当時からホップ栽培を担当するビール醸造士の森翔太さん(36)は「育て方も、どんな植物かも分からない。ホップを作ると社長から聞いたときはマジかと思った」と振り返る。 梅雨の長雨や台風、酷暑など…この記事は有料記事です。残り583文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







