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せっかくの夏休み、子どもにはのびのびと好きなことをして過ごしてほしい。ただし「好きなこと」には親の希望も含まれている、なんてことはありませんか? 「休みの過ごし方の希望」に、親子でズレが起きているという調査結果もあります。なぜ、ズレや保護者の「やらせたくない」は生まれるのか。国立青少年教育振興機構の理事長、青木康太朗さんに聞きました。「やりたい」「やらせたい」にギャップある理由――国立青少年教育振興機構では2006年度以降、青少年の生活習慣や体験活動についての実態調査を続けています。放課後や休日の「希望する過ごし方」に、親子のズレが見られます。最新の2022年度調査の報告では、保護者は活動的な過ごし方を希望している一方で、子どもは家でゆっくりできる過ごし方を希望する傾向がみられたそうですね。親がやらせたいこと、もしくは親自身が好きなことが、子どもが好きなことと一致するかというと、そうではないと思います。一致しない理由としては大きく二つあります。一つは、保護者の子ども時代と今の子供たちとの価値観や環境の違いがあるということ。もう一つは、その子自身の個性というのがあります。――例えば30歳で子どもが生まれたら、自分の子ども時代との違いは30年あるわけで、価値観や環境も異なりますね。特に外遊びは、親世代は比較的普通にできていたと思います。一方で、いまの小中学生が自由に遊べる環境は、地域によっては限られます。公園で遊んでいてもうるさいと言われ、ボール遊びが禁止され、ままならない。「自分が子どもの頃はこんなことが好きだった」「こんなことをやっていた」という思いがあっても、いまの子どもたちはそれができない場合もあることを理解してほしいと思います。そうした中で、どうしても遊びがゲームやスマホの方に偏りがちです。ゲームやスマホは子どもたちにとって、単純な娯楽や趣味の域を超えた、生活やコミュニケーションの一部になっています。それがないと生活や遊びに支障が出てしまうこともあります。【特集】子供とスマホ問題子どもの「やりたい」に寄り添って――30代後半の私が携帯を初めて持ったのは大学入学時でしたが、その頃も基本的な使い方は、メールと電話のやりとりでした。いまほどつながる手段が多様ではなかったし、その必要性もいまとは違います。親は自分自身の子ども時代にスマホはなく、子どもが感じているような感覚をスマホやゲームに持っていない。だから、子どもたちの感覚や価値観がわからないんですよね。そういったところでギャップが生まれやすい状況もあると思います。――二つ目に「子どもの個性」を挙げられていました。子どもの興味関心や価値観、個性を大切にできているかということも、親子間のギャップが生まれる一つの要因だと思います。自然体験や文化体験、科学体験などをさせるにも、特に子どもが小さい時期にはどうしても親の意向や価値観が出てきます。お子さんがやりたいと思っていることに寄り添い、その思いを大切にしていれば、ギャップは生まれにくいと思います。「公園でいいよ」に見えた体験格差 夏休み、子どもの選択肢を支援保護者が制限…不安・不快・不要なもの――逆に、「やらせたくない」もあるのが親心です。親や周囲の大人から子どもに制限がかかりやすくなっているものは、最近ではSNSやゲームですよね。それらになぜ制限がかかりやすいのか。一つの要素としては「保護者が不安や不快、不要に思うこと」です。特にスマホを使ったりSNSを楽しんだりすることは、保護者が子ども時代に経験していないこと。経験がないからわからないし、不安。必要性も大切さも理解しにくいですよね。――私は子ども時代にゲームを持っていませんでした。我が家では小学4年生の子どもがゲームを楽しんでいますが、当初は確かに強い拒否感がありました。他にも「制限」につながる要因はありますか。もう一つは、「社会的になじみがないもの」があげられます。例えばSNS以前には、インターネット自体が有害的に思われていましたよね。でも、だんだん社会が変化し、いま、「ネットは絶対にダメ」なんて言われることはありません。現在に至るまで、リテラシーを育んだりルール整備をしたりしつつ、制限ではなく、いかにうまく使えるのかを教えていくことにシフトしてきました。でもSNSは、まだそういった意味でネットのような存在にまで至っていないので、「禁止」という話が出てくる。でもこれも、ネット利用について試行錯誤をしてきたような段階を踏みながら、社会的になじみが生まれ、制限が緩やかになっていくんだろうなというふうには思っています。時代ごとに禁止や制限されるもの――まだ整備されきれていないから、まずは「禁止」となる状況はよくわかります。我々の調査で、子どもに身につけさせたいことを聞く項目があります。「インターネットやコンピューターゲームを長時間やりすぎず、時間を守って遊ぶこと」については、「熱心に身につけさせようとしてきた」という人たちの割合が徐々に減ってきて「あまりしてこなかった」という人の割合が増えてきているのです。このように、これまで禁止されてきた物事は、時代によって変遷してきているんですよね。テレビだって、普及しだした当時は「一億総白痴化」と言われたし、ゲーム機が出てきたら「外で遊びなさい」と言われてきた。時代に応じて禁止・制限されるものは変化しているけど、共通するのは、やはり大人が不安・不快・不要に思うようなことなのだと思います。 ◇「子どもと制限」ゲームやスマホの利用時間は、どのように決めていますか? 子どもの希望に対し、条件や制限を設けていますか? 多様な選択肢のある現代、大人は子どもの選択をどう守り、どう尊重したらいいのでしょうか。一緒に考えてみませんか。ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel