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「ゲームはもうおしまい!」と言いつつ、暇をもてあます子どもにかまいきれず、ダラダラとゲーム時間を延ばしてしまう――。この夏、そんな日々を過ごしている人もいるのではないでしょうか。国立青少年教育振興機構の理事長、青木康太朗さんは「ゲームやスマホに『すき間時間』をとられ、遊びを工夫する力がつきにくくなった」と指摘します。明確な「制限」ではなくても…――子どものSNS利用を規制するべきかどうか、国内でも議論が続いています。青木さんは、子どもの体験に対して保護者が制限をかける際の要因として、「保護者が不安や不快、不要に思うこと」や「社会的になじみがないもの」をあげています。【インタビュー前編】「子どもにさせたくない」なぜ生まれる? 親子の希望、ずれる原因は一方で、明確に「禁止」とされなくても、子どもが禁止されたと受け取るような場合も考えられます。例えば、自然体験や外遊び。子どもが虫捕りなど自然体験に興味があって親を誘ったとき、親御さんが虫が嫌いなどの理由から興味がないそぶりを見せたりすれば、それは子どもから見たら制限になるのだろうと考えます。親から明確に「禁止」と言われて子どもたちの遊びに制限がかかる場合とは別に、外部環境が起因して子どもたちの希望通りにはなっていない、つまり制限ともとられる状況になっている娯楽もあると思います。いまであれば夏場で外出がしにくいことなどもそれに当てはまるでしょう。――子ども自身は、そのことをどう受け止めているんでしょうね。悩ましいところです。ゲームやスマホは、やっぱり「長い時間やっちゃいけない」ということはわかっているのだろうと思います。だからある程度、時間なりの制限がかかることは理解して納得してやっているでしょう。でも、例えば遊び場の問題。公園でボールを使えないことなどは、調査でも「公園を自由に使えるようにしてほしい」という声はあります。スマホでストレス発散、でも長時間は望んでいない――納得している制限とそうでない制限があるのかもしれないということですが、違いはどこにあるのでしょうか。いまの子どもたちの休みの過ごし方として、「忙しいからゆっくりしたい」という希望が結構出てくるんです。例えば、学校や家庭以外に安心して過ごせる場所を作る「居場所」作りを検討する中でも、子どもは活動する時間だけでなく、ゆっくりする場所とか時間もほしいと言うわけです。【関連】中高生の居心地のいい場所は?「交流求めない」ニーズとのギャップもそうしたなかで、多分ゲームやスマホを使う時間は、子どもたちにとってはストレス発散の手段の一つなのでしょう。大人でも、疲れたときにダラダラ動画を見たりするじゃないですか。子どもたちにとっても、そういうものなんだろうなと思います。だけど、ずっとスマホをやり続けたいかと言われると、そうではないんじゃないかと思います。国立青少年教育振興機構の「青少年の体験活動等に関する意識調査」の2022年度結果を見ても、「インターネットで動画やSNSをみたり、投稿したりする」という項目の満足度は、「友だちと遊ぶ」とか「運動やスポーツをする」といった項目に比べて低いんですよね。お子さんの個性にもよりますが、やはり、のびのびと自分たちがやりたいことができる時間や場所がなく、ゲームだけが唯一の自由な環境というのは、子どもにとっての不満につながるとは思います。【特集】子供とスマホ問題余談になりますが、実は子どもたちの自然体験が減ってきたというのは1970年代から言われていて、もう50年ほど続く課題です。五つの「間」がなくなった――え! 50年前といったら今に比べたら自然体験が多いという印象でした。びっくりしますよね。国立青少年教育振興機構が運営し、全国にある「国立青少年自然の家」という施設が1970年代に始まったのですが、その理由は「子どもたちの自然体験が減ってきたから」です。背景にあるのは東京五輪です。1964年の東京五輪で、都市化がどんどん進み、テレビや室内で遊べる娯楽が増えてきて、習い事で子どもたちが多忙になってきているというのが言われ始めた時期です。その時期、「仲間」「空間」「時間」がなくなったといわれていました。私はいま、そこに「すき間」と「手間」が加わり、五つの「間」がなくなったと言っています。「すき間」時間がゲームやスマホにとられてしまっていることで、「どんな遊びをしようか」と考える工夫がしにくくなった。そして、遊びのルール作りや仲間集めなど、「手間」をかけて遊ぶことがなくなっているという趣旨です。「適度」を親子で話し合う――遊びがゲームやスマホを使ったものに偏ってしまっているというのはよくわかります。それをなんとかしたくて、禁止したくなる保護者もいるのではないでしょうか。どの程度を「適度」とするのかというのがとても重要です。実は我が家も、「親はゲームは買わない。ほしいなら自分でどうぞ」と子どもに伝えていました。でも、子どもいわく「ゲームがないと友だちの話題についていけない」と。そこで、我が家はルールを変更し、登校前の朝の時間だけはゲームを解禁しました。我が家は当初、親の価値観で一方的なルールを作っていましたが、子どもと話し合って、許容範囲を変更しました。そういったように、家庭の話し合い次第なんだろうと思っています。決してゲームをする時間やゲーム自体が悪いということではありません。そこだけに時間を取られ、すき間時間まで取られてしまうと、子供たちの体験が偏ってしまうことに気をつけなければいけないことなのだと考えます。「ゆとりある社会作りが大事」――一人の保護者として思うのは、忙しいときに子どもが夢中になってくれているゲームはありがたい存在にも思えるのも正直なところです。いまの世の中、時間がないから「コスパ」「タイパ」「間違っちゃいけない」となってしまっています。もっとゆとりを持って子育てができ、子どもと向き合える時間を持つことがこれから大事になってくると思います。ゆとりがあれば、ゲームやスマホに関しても、親子で話し合いながらルールを決められます。それができないとどうしても一方的な制限もしくは無制限になってしまいます。大きな話にはなってしまいますが、もう少しゆとりのある社会作りも大事なのかなと思います。一方的な制限で、セルフコントロール難しく――保護者からの「一方的な制限」にある問題点はどのようなものがありますか。強引もしくは過度な制限をされた子どもは自律心が育まれにくく、将来、自己制御をしながら生活をするセルフコントロールの力が身につかなくなるという課題も出てくることが予想されます。また、一方的に「禁止」されることは抑圧ともとれます。大人になり、親の目から離れた瞬間に、自分の欲求を自分でコントロールできなくなってしまう可能性があります。他にも、リテラシーや安全に対する意識も育まれないという問題もでてくると思います。だからこそ、親子で「適度」をみつけるための話し合いの時間を持つことが重要で、そのためのゆとりある子育てができる社会作りが求められます。 ◇「子どもと制限」ゲームやスマホの利用時間は、どのように決めていますか? 子どもの希望に対し、条件や制限を設けていますか? 多様な選択肢のある現代、大人は子どもの選択をどう守り、どう尊重したらいいのでしょうか。一緒に考えてみませんか。ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel