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乳幼児期とは違った難しさのある、思春期の子育て。医療機関が思春期の子どもやその親を対象に行った全国調査では、経済的な苦しさや、仕事や介護・育児の時間的なきびしさを訴える親の回答が増えています。調査を担当した医師は、ほかの調査で親の状況が子どもに影響を与えることが分かっているとして、「子どもに加えて保護者への支援も重要」と訴えます。経済状況「苦しい」34%→41%国立成育医療研究センターではコロナ禍のあった2020年から、社会情勢が思春期の子どもの発達過程にどう影響するか、「全国思春期調査」を実施しています。全国の小学5年生から高校生と、その保護者が対象です。6回目となる2025年の調査対象者は、子どもが2894人(回答率34.0%)、10代の子どもがいる保護者が3021人(同35.5%)でした。保護者に「家庭の経済状況」を尋ねた質問では、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた保護者は、合わせて41%でした。2023年と2024年は34%だったため、悪化したといえます。また、介護や仕事・育児に対する「時間的なきびしさ」を感じる頻度を聞くと、77.6%の保護者が「時々ある」「よくある」「ほぼ毎日つらい」と回答しました。調査報告では「家庭全体がゆとりを失っている状況は、こどもの心の状態を考える上で見落とせない背景で、子どもに加えて保護者への支援も重要であると考えます」とまとめています。【インタビュー】思春期の子どもの暴力、信田さよ子さんの答え思春期は「探検するけど安全基地も求める」小児科医で、「全国思春期調査」の研究代表者・森崎菜穂さんに話を聞きました。――そもそも、思春期の子育てにはどのような難しさがあるでしょうか。様々な言い方ができますが、思春期は、子どもたちが「自分で考え始める時期」といえます。思春期以前の育児で「絶対的なルール」で押さえつけるような育児をしていたとしても、思春期になると周りと自分との違いを意識するようになり、親が出し抜かれてしまうなどルールでコントロールするのは難しくなります。例えばスマホの利用時間について、保護者がよかれと思って、でも一方的にルールを決めたとき、本人の納得がなければ継続的な実行が難しくなります。本人との信頼関係を持つ大人が、本人と一緒にルールをつくり実行を促すなど、本人の意思を尊重しつつもしっかり手綱を引くサポートが必要になります。――どこまでサポートすべきか迷うこともありそうです。小さいときとは違い、10代にもなるとたいていのことは一人でできるようになっていますが、衝動性の高さも心配な時期です。思春期の子どもは、突然感情が爆発してしまったり、頭ではわかっていてもイライラしてしまったりすることもあります。脳の中で最も成長が遅いとされているのが、大脳辺縁系など感情や衝動性を抑える部分だからです。この部分の成長は20代まで続くともされています。思春期の子どもは、自分の足で立てるよう、自活を促す時期ではあるけれど、その指南役は必要。色々と探検はするけれど、安全基地を求めているという時期です。【インタビュー】反抗期、「闘っている相手は、自分」の意味――つかず離れずの距離感が難しいですね。思春期って、積み重ねの時期なんですよね。経験や感情を積み重ねた結果、「自分はできる」「自分は大丈夫」と思えるスキルを身につけ、そこでやっと保護者が「いってらっしゃい」と背中を押せる状態になります。保護者を社会的にサポート、普通になって――今回の調査では、過去に比べて家庭の経済状況が悪化していたり、保護者の時間的なゆとりがなくなったりしていることが分かりました。思春期の子育ての難しさがある中で、ゆとりは大切ですよね。現段階では、今回の調査から、家庭のゆとりのなさが子どものメンタルヘルスにどう影響しているのかという相関関係は出していません。ただ、これまで私が関わった調査から、親の状況が子どもに影響を与えるという結果は出ています。例えば、更年期症状の治療を受けていない母親は、その症状が強いほど思春期の子どもへの関わりに難しさを感じやすく、子ども自身も孤独感や不安、抑うつが高いことなどを示した研究があります。また、子どもの側の研究では、親などの大人に話を聞いてもらっている子ほどQOL(生活の質)が高いという研究結果も発表しました。――今回の「全国思春期調査」では、「こどもに加えて保護者への支援も重要である」と指摘していますが、具体的にはどのような支援が考えられますか。保護者の負担になっている家事や育児を外注することも一つの方法ですし、相談事業を活用することも考えられます。国などの政策で社会的にサポートすることが普通になるのが理想です。今回の調査で、保護者側の回答者は9割が女性でした。お母さん自身が「周りを頼る」という選択をしやすくなることも大切ですし、社会の側も「女性活躍」と言うならば、もっと子育て中の母親をサポートしようと考えるべきです。ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel






