2026年8月20日 17時00分日比野容子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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京都商工会議所が、オーバーツーリズムによる京都市内の交通混雑の打開策として、次世代型路面電車(LRT)の導入に向けた政策提言を目指している。今月7日に開かれた、地元経済界のトップが集う「京都経済人会議」で、専門家から京都市西部を南北に貫く西大路通への導入案が提示され、ルート案を議論した。 ルート案を示したのは、京都市在住で、世界のLRT事情に詳しい宇都宮浄人・関西大経済学部教授だ。「金閣寺西大路線」という提案で、観光客の多くが訪れる金閣寺から西大路通を南へ進み、西大路九条で東に向かい、九条車庫付近を車両基地として想定する全長約10キロ。 最大のメリットは、京都市内を走る交通機関同士をつなぎ、ネットワーク化できることだ。 沿線にはJRや地下鉄、嵐電や阪急などの駅がある。北野天満宮や龍安寺、妙心寺、仁和寺、嵐山など市西部の観光名所のほか、事業所や病院なども連なり、市民も便利になる。 京都市は1895(明治28)年、国内で初めて路面電車が走った街だが、戦後のモータリゼーションの流れの中で、1978(昭和53)年に廃止された。 「当時、廃止は世界の潮流でしたが、今は違う」と宇都宮教授。「環境保護の流れの中で、パリやバルセロナなど世界有数の観光都市で路面電車が見直され、LRTとして復活を遂げている。『何を今さら』ではなく『今だからこそ』なのです」 宇都宮教授は、ウィーン工科大で欧州のLRT事情を研究した。観光客で混みすぎて市民が市バスに乗れないという問題は、ウィーンでは起きていないという。 宇都宮教授が示した公共交通データ=表参照=が違いを物語る。「国際文化観光都市の名にふさわしい交通インフラが京都にはない。市バスの混雑は起きるべくして起きている」と話す。 宇都宮教授によると、LRTは1人の運転手が運べる客数が市バスの2倍以上で、専用の軌道上を走ることから渋滞にも巻き込まれにくい。 財政負担について、宇都宮教授は、フランスとドイツの事例から1キロあたり40億円ほどと試算する。「地下鉄を掘るなら10倍はかかる。上下分離方式の導入など、官民が役割分担する場合には、国の手厚い補助がある」と説明する。 京商の内部では、市外周を循環するルートのアイデアもあるが、かつて京都市は財政難でLRT導入を断念した経緯がある。宇都宮教授は「まずは小さな成功例をつくること。反対論があった宇都宮市のLRTも、成功した今は延伸に向けて動き始めている」と強調する。 京商は25日の「京都未来戦略会議」で、堀場厚会頭や西脇隆俊知事、京都市の松井孝治市長ら産官学のトップと京都の交通インフラ充実について議論し、処方箋(せん)を探る。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人日比野容子京都総局|経済(京都・滋賀)専門・関心分野オーバーツーリズム、鉄道・交通政策、歴史文化、医療・介護、クラシック音楽、スキー、料理、欧州など関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする