ストーリー大滝哲彰印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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ある人を捜していた。正確には、その人と自分自身とのつながりを捜していた。 私(31)と同じ姓をもつ大滝庫一さん。81年前、熾烈(しれつ)を極めた沖縄戦で戦没した人物だ。 その存在を知ったのは、10年ほど前。北海道函館市の大学に通っていた私は、1本の電話を受け取った。 「君の親戚が沖縄戦で亡くなっているかもしれない」 電話口で語るのは、ジャーナリストの浜田哲二さん(63)。共通の知人づてで連絡をくれ、こんな話を教えてくれた。「沖縄戦の真実を」と託された356通の手紙 沖縄戦で約800人の歩兵隊を率いる陸軍第24師団歩兵第32連隊第1大隊長だった伊東孝一さん(故人)が、戦没した部下たちの遺族宛ての「詫(わ)び状」を敗戦直後に送った。 沖縄から持ち帰ったサンゴの塊を砕いて入れた包みとともに送ると、遺族からは356通の返信が届いた。その中に大滝庫一さんの父・庫蔵さんからの手紙があった。 「沖縄戦の真実を伝えてほしい」。伊東さんはそんな願いとともに、すべての手紙が哲二さんと妻の律子さん(61)に託した。夫婦は2017年から、学生たちとともに手紙を遺族へ返す活動を続けている。 戦没した兵士の親や妻らが書いた手紙には、大切な人を失った悲しみや、残された者としての覚悟が記されていた。 例えば、上等兵だった夫・松倉秀郎さんを亡くした妻のひでさんは、手紙の中でこんな詩を詠んだ。 「天かける つばさも欲しや 夫征きし 沖縄島の 便り聞きたや」 そしてこう続けた。 「南西の空仰ぎつつ、幾度か…この記事は有料記事です。残り1249文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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