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(14日、第108回全国高校野球選手権大会2回戦 花巻東4―1岡山学芸館) 岡山学芸館の野球部卒業生、丹羽淳平さん(24)は、三塁側アルプススタンドで後輩たちのプレーを頼もしそうに見つめていた。 「長打を打てるスター選手はいないけど、小技を駆使して泥臭く戦う。いいチームですね」 7年前、自身が関わったプレーが高校野球界を動かした。 投手として先発した2019年夏の甲子園2回戦の広島商戦。一回、ライナー性の打球が顔の左側に直撃し、マウンドにうずくまった。 今でも当時の記憶は鮮明だ。 「スローモーションのような映像で、めちゃめちゃ覚えている。ボールが視界全体に広がって、すごく大きくなって、グラブに当てようと思ったら、顔に当たっていた」 わずか11球で降板し、病院で左ほお骨の骨折と診断された。 この一件が再び話題になったのは5年後だった。 24年春の選抜大会から、投手のけがを防止するため、反発性能を抑え、打球速度が遅くなるよう設計された新基準の「低反発バット」が導入された。きっかけの一つが丹羽さんのけがだった。 その大会では本塁打が激減した。わずか3本で、うち1本はランニング本塁打。1975年の金属バット導入後、選抜大会では最少だった。 知人や友人からは「おまえのせいで高校野球がつまらなくなった」と冗談交じりに言われた。 丹羽さん自身も「長打が減ってしまい、申し訳ない気持ちもあった」と振り返る。現場の声とデータから見る低反発バット 「飛ばない」は本当か?開幕からハイペースの本塁打 低反発バット時代に高校球児の進化 あれから2年。最近は「バット」が話題になることも少なくなった。 球児は徐々に対応している。今の3年生は入学時から低反発バットを使ってきた世代だ。今春の選抜大会では9本の本塁打が生まれた。 ロースコアの展開の中で工夫も見られる。 岡山学芸館は地方大会の打率が49代表で最も低い1割9分7厘。それでも2回戦の鳥取城北戦では3盗塁を絡めて勝利した。この日の花巻東戦も8本の安打はすべて単打だったが、八回には2本の安打の後、二つの内野ゴロで走者を進めて、1点を返した。 丹羽さんは言う。 「長打が少なくても、どうやって得点するのかを考えて、工夫しているのがうれしい」 高校卒業後は山梨学院大で野球を続けた。 野手としてプレーし、木製バットを振ったが、最初は打球が飛ばず苦しんだ。高校時代は技術が十分になくても、バットの性能のおかげで安打になっていたことが多かったのだと痛感した。 「いまは簡単には安打にならない環境で、正しい技術を身につけようとしている。ある意味でうらやましいことです」 同時に、パワー不足で打球が飛ばないことに悩む選手たちに伝えたいことがある。 「低反発バットで打つための努力は、絶対に将来にもつながる。体が成長すればヒットになるかもしれない。打球が飛ばないからといって野球をあきらめる必要はない。野球が好きなら卒業後も続けてほしい」 いまも働きながら草野球を楽しむ丹羽さん。球児たちを温かく見守っている。岡山学芸館の丹羽、強気の無四球完封 兄は低反発バット導入のきっかけ【鷹の爪解説】飛ばないって本当?低反発バットが導入された理由






