現場から「あなたの命、飛行機のキャンセル代程度?」 油断と無理が招く遭難原知恵子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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遭難者のリアル 第2回 目的地まであと少し。山小屋に着いたら、おいしいお酒を飲む。 夕暮れがせまる、夏の北海道・大雪山。50代の男性は、妻とともに黒岳(1984m)山頂からの下り坂を歩いていた。久しぶりの登山。宿泊用の荷物や食料を背負い、黒岳石室までは残り数百メートル――。 だが、楽しい夜は訪れなかった。 「けがをした人がいます!」 標高1890mにある避難小屋「黒岳石室」管理人・細田直之さんは、別の登山者から知らせを受け、現場へ向かった。 男性に意識はあり、会話もできた。だが、足首はブラブラとしていて、自力で歩くことはできない。あたりは岩石がゴロゴロ転がるガレ場。足を滑らせ、足首を骨折したらしい。 こうした下山中の転倒による負傷は珍しくない。 「『もうすぐだ』と思うと緊張の糸が切れちゃう。やっちゃうときは1秒なんです。疲れもあるし、荷物も重い。1秒前まで普通に歩いていたのに、次の瞬間には骨を折っている」山で行動不能になると、周囲にどんな影響があるのか。山小屋の管理人の証言から、山岳遭難のリアルに迫ります。【幌尻岳編】「日本百名山」達成目前の遭難 忠告したが…管理人が見た過信の代償ヘリ接近…現場で起きること 黒岳石室は、「北海道の屋根」と呼ばれる大雪山を縦走する登山者たちの重要な拠点だ。その日は、大学生のグループが宿泊していた。細田さんが担架搬送の応援を頼むと、10人以上が快く引き受けてくれた。 ただ、山道での搬送は簡単ではない。火山ならではの地質で、つまずきやすく、滑りやすい。誰かがバランスを崩せば担架は大きく傾き、男性を危険にさらしかねない。 どんどん暗くなり、足元が見…この記事は有料記事です。残り1138文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする