現場から「日本百名山」達成目前の遭難 忠告したが…管理人が見た過信の代償原知恵子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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遭難者のリアル 第1回 その登山者は「日本百名山」の制覇を目指していた。 本州在住の60代女性。すでに90座以上に登頂し、北海道・幌尻岳(2052m)に単独で入山した。 夏山シーズン、天候良好。山頂を越えたら、その先に広がる氷河地形「七ツ沼カール」の絶景を楽しみ、戸蔦別岳を回って下山――。そう思い描いていた。 だが、標高950mにある幌尻山荘の管理人・山木正生さんは計画を聞き、こう告げた。 「この時間から七ツ沼を回るのは、間に合わない。山頂まで行ったら、引き返してね」 「わかりました」 山木さんは理解してくれたと思い、見送った。だが、夜になっても女性は戻ってこなかった。 「山頂で引き返さず、回ったな……」 午後8時ごろ、「遭難」として関係機関への通報を決めた。山小屋の管理人たちは、人の判断の揺らぎが遭難につながる瞬間を見てきました。SNS時代の登山リスクや行方不明事案の現実――。証言から遭難者のリアルに迫ります。遭難者にみられる傾向 幌尻岳は、日本百名山の中でも「最難関」の一つに数えられる。女性が選んだ額平川コースは山頂まで片道15キロ以上。途中で沢を十数回、渡らなければならず時間も体力も消耗する。 女性の山荘到着時刻は、山木さんが「安全に下山できる」とみる目安から2時間以上、遅かった。今から山頂を往復するだけでも7~8時間。ギリギリだ。まして、周回なんて無理がある。 一夜明け、山木さんが警察や…この記事は有料記事です。残り1446文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする