インタビュー「内密出産の原点」守れるか 病院長が「怖いもの知らず」と語った訳聞き手・高井里佳子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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大阪府泉佐野市が、生まれた子を匿名でも託すことができる「赤ちゃんポスト」の設置と、病院関係者だけに身元を明かして産む「内密出産」の導入をめざしている。 市が「お手本」とするのは、国内で初めて双方の事業を始めた慈恵病院(熊本市)だ。職員を研修に派遣する計画もある。慈恵病院の蓮田健院長(60)からは、初の行政主導となる泉佐野市の取り組みがどう見えているのか。慈恵病院長が語る課題と期待・熱意と驚き そして「怖いもの知らず」・女性たちが抱える事情・市長交代したら?資金は続く?・全国化と法制化への「試金石」 ――泉佐野市が取り組みを始めると知ったとき、どのように受け止めましたか。 千代松大耕市長の熱い思いは感じました。ただ、最初は「怖いもの知らず」だと思いました。 私の経験上、行政は最も赤ちゃんポストや内密出産に消極的で、ネガティブにとらえる組織でした。公務員は法に基づいて行動しますが、赤ちゃんポストも内密出産も違法ではないけれども、グレーゾーンに当たる。最も嫌がるはずの行政が「自分たちがしたい」と言い始めたのは驚きでした。現実を理解していないのではないか、とも思いました。 私が記憶している限り、過去に四つの病院が赤ちゃんポストをやりたいと名乗り出ましたが、結局断念しました。リスクが大きい上、「安易な育児放棄を助長しているんじゃないか」と言われかねない。そこに対し、心理的な抵抗感があったわけです。 ――実際、女性たちにはどのような背景があるのでしょうか。 親による虐待や過干渉で、親との関係性が悪い女性がほとんどです。だから女性たちは親に絶対に知られたくない。妊娠を知られれば見放され、家を追い出されると恐れ、頼りになるはずの親に相談ができません。 私は新生児の遺棄、殺人事件に至った被告女性の裁判に5年間で17件関わり、意見書を書いたり、法廷で証言したりしてきました。裁判資料に目を通す中で、罪に問われた女性と、内密出産や赤ちゃんポストを利用する女性の特性が非常に似ていると気づきました。女性たちが抱える事情 別の医師が女性の精神鑑定を…この記事は有料記事です。残り1678文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする







