詩人・草野心平が愛した阿武隈高地の村 没後も続く祭りが今夏も岡本進印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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祭りのあるじが亡くなってから40年近くたつのに、今年も催された。詩人の草野心平(1903~88)を囲んで福島県川内村で始まった天山(てんざん)祭りだ。 蒸し暑さが増した7月11日、村内の山林にある「天山文庫」の庭に150人ほどの村人たちが集まった。小学6年生たちが今年もまた、自分の詩を順に読み上げた。「高く跳ばないといけない 二重跳び。縄を回すのが大変 三重跳び。大変だけど跳びたくなる……」。恒例の郷土芸能の舞も披露された。 天山文庫は66年に建てられ、亡くなる年まで心平が東京から毎年訪れ、数カ月を過ごした。天山の名は、東洋と西洋の文化が交わる中央アジアの天山山脈に由来し、東北と中央の人々の交流の場になって欲しいとの願いから、心平がつけた。玄関にある「天山」の額の字は、心平の親友の川端康成が筆で書いた。 心平が村を初めて訪れたのは50歳のとき。「モリアオガエルを見てみたい」と書いた新聞記事を読んだ村の寺の住職が、繁殖地がある村への来訪を勧める手紙を送った。たびたび村を訪れるようになった心平は、村の野球大会の始球式でマウンドに立ち、中学生たちが校歌がなく寂しい思いをしていると聞くと校歌を作詞した。「モリアオガエルを見たい」と村に 村内には「酒ばかり飲んでいる『飲んべいおやじ』をなぜ」との声もあったが、村は住民たちから愛されていた心平を名誉村民にし、木炭百俵をトラックで届けた。心平は自宅にあった本を「返礼に」とトラックに載せて贈った。3千冊の蔵書を保管し、心平が創作活動をしながら滞在できるようにと、かやぶき屋根の母屋を村人たちが建てたのが天山文庫だ。 酒好きの詩人のもとには、村…この記事は有料記事です。残り508文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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