エンタメは社会を変える? 「虎に翼」吉田恵里香さんの脚本への思い聞き手・構成 Re:Ron編集長・佐藤美鈴印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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物語やエンタメは社会を変えるのか。そんな問いに、NHKの連続テレビ小説「虎に翼」を手がけた脚本家の吉田恵里香さんは「上げた声は消えない。様々な価値観の種をまくことができるのがエンターテインメント。即効性はないけど変える力はある」と答えます。7月2日に開かれた、ジェンダー平等の実現に向けてメディア関係者が学び合うプロジェクト「Think Gender Forum」。脚本への向き合い方や違和感を物語で描く意味について、吉田さんが基調講演で語りました。吉田恵里香さんが脚本を書くときに大事にしていること、物語の中で問題意識や違和感を描く意味、現実の問題を扱うときに気を付けていること、価値観が異なる相手を知るためにできることは。Re:Ron編集長・佐藤美鈴が聞き手を務めたThink Gender Forumの基調講演の内容を再構成してお届けします。言論サイトRe:Ronはこちら ――脚本を書くときに大事にしていることは。 特にテレビドラマで、社会的な問題を取り上げる、もしくは様々なマイノリティー、ルーツの方を存在させることに対して、残念ながら今でも明確な理由を求められることが多い。たとえばゲイの方を登場させたいと言ったとき、それはテーマとどう関わるんですか?という言い方をされる。社会に当たり前のように存在している人を描くのに、なぜか理由が求められてしまう。それがエンタメ界の現状だと思います。 そんななか、「虎に翼」は法曹界の話なので「テーマが人権だから」と言い切れることが良かった。かつ、憲法14条第1項(法の下の平等)を物語の骨として捉えた作品だったので、なるべく多くの問題を描き、普段ドラマのなかでは省かれてしまうような人たちが当たり前にいることを示したい、と考えていました。 ただ、放送は半年しかないので「扱い方として駆け足だったのでは」「表面上しか触れられていないのでは」などと様々なご意見もいただきました。でも私としては朝ドラで扱うことに意味があると思っていました。解決していない問題、まだ私たちが答えを見いだせていない問題がたくさんあるので。 作品を見ても知識が1から100になるわけではありません。意識しているのは、0だったものが1、あるいは0.1になること。全く知らなかったものが少しでも見えるようになることです。 ――物語の中で問題意識や違和感を描く意味は。 違和感や日常で起こることに対して何か思うことがあったとしても、声に上げたり行動したりすることってすごく難しい。そのなかで、テレビ、漫画、映画といったエンタメが、主題でなくても枝葉で何か問題提起をしてくれると「自分だけではない」と思える。その感想を目にするだけでも、同じ違和感を抱いている人がいる、と感じてもらえる。それが自分の中で大事なものになっています。 「虎に翼」でも、主人公の寅…この記事は有料記事です。残り2230文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






