コラム・寄稿2026年3月25日 7時00分京都総局・石山綾香 2025年入社 事件・高校野球担当印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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人工知能(AI)を活用した作品の出来を競う映画祭を取材した。生身の俳優を起用していないのに、実在する人間が演じたように映る作品に驚いた。 この映画の制作者は機材の準備や俳優への出演料で資金がかかるため、これまでは映像化をあきらめていたという。「(AIを使えば)お金がなくても、アイデアを形にできる」 AIがもたらす可能性に感心した。同時に、クリエーターや俳優の中には仕事を奪われる人が出てくるかもしれない。そんな未来も想像した。 記者という職業にも通じる部分がある。SNSが広がり、いまや誰もが自分の考えなどを発信できる。生成AIの発展で、文章を整えるハードルも下がっている。記者って、これからも必要とされるのだろうか。 モヤモヤしていた中で思い当たったのは、昨年12月のこと。京都府内の踏切で列車と軽乗用車が衝突し、車が炎上した事故の取材だ。 炎上した車は、後続車に追突され、押し出される形で踏切に入って電車と衝突した。発生当初の取材では、そんな情報が飛び交った。ただ、警察や消防へ確認を重ねると、後続車がぶつかった事実は認められなかった。 もしも私たちが、本当は何が起こっていたのかを吟味することなく、聞いたままに書いていたら――。「無実」の後続車の人が「加害者」のように扱われ、車やナンバープレートをさらされ、責められたかもしれない。そう思うと、背筋が凍った。 確認、裏付けなど取材を尽くし、粘り強く真実に迫る。入社直後から、口を酸っぱくして言われてきた。内容に責任を持って書く。誰でも発信できる時代に、記者である意味が少しわかった気がした。 膨大な量の情報を人間よりもはるかに短時間で入手し、わかりやすく文章をまとめられる。そんなAI記者が、いずれ台頭するかもしれない。 私、Ayaka IshiyamaのイニシャルはA.I.。与えられた情報を元に文章を生成するだけではない。情報そのものを精査し、間違いがないようにする。誰かを傷つけかねない表現や内容がないか、細心の注意を払って文をつづる。どんな未来が来ても、信頼される「A.I.記者」でありたい。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人石山綾香京都総局|警察・司法、高校野球専門・関心分野野球、人権問題、多文化交流、人工知能倫理関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする








