深掘り2026年7月16日 14時00分横枕嘉泰印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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川崎港内にある民間工場の桟橋に係留されていた遊覧船が浸水で傾き、港内の他の船舶に影響が出かねないとして、川崎市が約3300万円をかけて撤去する「行政代執行」を行う方針を固めた。放置船舶を巡る問題は各地で起きているが、法の整備が追いついていない現状がある。 市によると、問題の遊覧船は2018年10月ごろから、桟橋所有者の工場との契約に基づいて係留されており、当初は横浜や東京方面への航行が確認されていた。 市は、運賃収益を目的とする遊覧船の停泊が、条例で「工業港区」と定めた桟橋の利用目的から逸脱するとして、遊覧船の運航会社と工場に移動するよう指導。会社と工場の間で裁判が始まるなどしたため係留状態が続き、会社側が敗訴となった判決確定後も放置されていたという。費用回収できるか不透明 25年2月になって、強風で遊覧船が傾き浸水。油の流出も確認されたため、市が改めて現状を確認したところ、会社側も工場側も資金面などを理由に撤去する意思がないことが分かった。このため、他の船舶の安全な航行に支障が出かねないとして行政代執行を決めたという。 市は代執行にかかった費用を遊覧船の所有者と運航会社に求めるとしているが、どこまで回収できるかは不透明だ。さらに刑事責任を問うために、両者を港湾法違反の疑いで川崎海上保安署に告発したが、罰則は「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」にとどまる。 こうした状況に、市議からは「放置した者勝ちであるのはいかがなものか」との指摘も上がる。船舶放置「手も足も出ない」 市によると、港湾法のルール上は、本来の利用目的以外で桟橋の係留を認めた契約自体は違法とならず、工場側の責任を問おうとしても、これ以上の追及は難しいという。「港湾法の想定外の事案」(市港湾局幹部)といい、所有者と運航会社に対する刑事告発も、港内の「放置等禁止区域」での放置を問うことしかできなかった。 また船舶を移動するよう求めた条例に基づく指導についても強制力はなく、問題がある船舶の係留・放置に関して「手も足も出なかった」のが実情だ。 代執行は6月17日から約1カ月をかけて行う予定。しかし船内にはゴミなどがたまっており、費用がさらに膨らむ可能性もあるという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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