【社説】会期末直前の党首討論 国会の現状への危機感どこへ2026年7月15日 20時30分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアするこの社説のポイント●高市政権が一連の問題含みの法案の駆け込み成立をめざすなか、今国会2度目となる党首討論が開かれた●消費減税や皇室典範改正など、首相の姿勢が問われたが、議論は深まらなかった●15分間延長しただけでは足りない。頻度と質疑時間の確保が不可欠だ
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国会の会期末を翌々日に控えた15日、今国会で2度目となる党首討論が開かれた。 高市政権は皇室典範改正案や再審制度を見直す法案、国旗損壊処罰法案、副首都法案など、問題含みの法案を駆け込みで成立させようとしている。丁寧な議論や幅広い合意形成を抜きに強行すれば、禍根を残すのは間違いない。 だが、高市早苗首相の通り一遍の答弁や質疑時間の短さもあって、与野党のトップ同士の議論なのに、国会の現状に対する強い危機感はうかがえなかった。野党が審議に応じる条件のひとつとした党首討論がこれでは肩透かしだ。消費減税「見直しの余地」、直接答えず 最初に質問に立った国民民主党の玉木雄一郎代表は、2027年4月から2年限定で食料品の消費税率を1%に下げるという社会保障国民会議の議長案に「見直しの余地」があるのかをただした。 首相は直接答えず、「国民会議に議論を委ねている」と述べるだけだった。夏前に議論を終えて法整備にかかりたいとしていたスケジュールは改め、7月いっぱいかけてもいいと述べたが、現場任せで与野党が一致点を見いだせるとは思えない。6党派が慎重・反対でも「立法府の総意」主張 皇室典範の改正については、中道改革連合の小川淳也代表と立憲民主党の水岡俊一代表から、政府案と「立法府の総意」との関係をただされた。首相は衆参両院の正副議長の下でまとめられたことを理由に、立法府の総意に違いないと主張。「1人の議員が反対したから『立法府の総意』ではないのだと言われたら、ほとんどのことが立ちゆかなくなる」とも述べたが、13党派のうち6党派が慎重・反対の立場を示したことを軽んじている。3週間が過ぎても出ない「陳述書」 小川氏は、歴代首相に比べて国会への出席が少なかったり、「中傷動画報道」をめぐって、秘書の陳述書で答弁を回避しようとしたりした姿勢を、「首相の資質に疑問符がつきかねない」と指摘した。首相は「国会からお呼びがあれば、ちゃんと来てこれまでも答弁している」と反論したが、実態を見れば、とても言葉通りには受け取れない。陳述書の提出を答弁に代えることは許されないが、「近日中」に出すといいながら、3週間を過ぎても出してこないのは不誠実というほかない。 今回の党首討論には、5月の前回同様、6人の野党党首が立った。通常より15分長い60分としたが、持ち時間が一番長い玉木氏ですら15分だ。細切れで表層的なやりとりにとどまるのも無理はない。論戦の質を高めるには、頻度を増やし、十分な質疑時間を確保することが不可欠だ。高市首相、中傷動画報道は「全く身に覚えない、大変心外」 党首討論「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






