インタビュー「急に具合が悪くなる」俳優が驚いたこと 濱口竜介監督が語る演出術聞き手・小峰健二印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする【動画】映画「急に具合が悪くなる」濱口竜介監督インタビュー=時津剛撮影

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公開中の映画「急に具合が悪くなる」の濱口竜介監督が、独自の方法による演出の狙いについて語った。 同作でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞した主演のビルジニー・エフィラさんに示した「17の質問」の意味は? 参考映画として見るよう促した作品の意図は? インタビューの前半をお届けする。【インタビュー後半】カンヌ女優賞、主演の岡本多緒さんの役割とは 〈主演のエフィラさんは、今回の濱口監督による演出で、本(台本)読みの際に「へその少し下の体内に鈴があることを想像し、その鈴を鳴らすように読んでほしい」と言われたと語っている。また「17の質問」という資料を渡されたことに驚いていた〉 無感情で本読みをしてもらうのですが、単に無感情で読んでも平板なものになってしまうので、背骨よりのところに目標の鈴を決めてもらって、言葉を鈴に当てるようなイメージでやってもらっています。その方が集中力も出てきやすいと考えています。 本読みばかりが(メディアで)取りざたされる傾向はありますが、本読みはやり方の一部です。サブテキストと呼ばれているものを渡して演じてもらったりもします。そのサブテキストの一つが「ハッピーアワー」(2015年)のときにできた「17の質問」です。 「ハッピーアワー」で脚本を書いた、野原位(ただし)さんと高橋知由(ともゆき)さんと自分の3人で、映画に登場するキャラクターに対して質問をするとしたらどんな質問かというのをバーッと出して17個にまとめました。 「カメラの前で演じること」(左右社)という本にも書きましたが、「今は幸せか」といった質問から始まって、「どういうことが好きなのか」とか「どういうことが怖いのか」ということを聞いていく。その答えを基本的にはまず演出家側が書いていく。それで、演出家はこういうことを考えているということを伝えるわけです。ただ「これが正解ではない。あくまでもこういうことがあったかもしれない」と伝えます。基本的には演じる人に自分で答えてもらうのが良いだろうと思っています。「牯嶺街少年殺人事件」の不可解な人物 〈なぜ映画に映らない部分を徹底するのか〉 エドワード・ヤン監督の「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」という作品があります。4時間ほどある映画ですが、ほんの少ししか出てこないキャラクターで、なぜそうした振る舞いをするのか観客からは分からない人物がいます。ですが、観客から見た時に、このキャラクターの人生においては、そう振る舞う何らかの必然性があるのは見て取れる。ただ、その感覚自体が何なのかが分からない。 「ハッピーアワー」の脚本チ…この記事は有料記事です。残り3210文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません