ストーリー「まちの本屋」ふたたび 閉店の書店長が開業めざしクラファン開始2026年7月11日 8時00分鵜飼啓印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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静岡県菊川市の大型書店が閉店となったことを受け、新たに書店の開業を目指す元店長が3日、クラウドファンディング(CF)を始めた。「コミュニティーの場としての書店を守りたい」との思いにSNSなどで共感が広がっている。【閉店までの経緯】「地域の本屋なくしたくない」 閉店の書店店長が開業目指して奔走 開業に向けて奔走しているのは、同市で28年間営業していた「戸田書店リブレ菊川店」の店長だった鈴木祐輔さん(41)。同店は一般書からマンガまで約6万冊をそろえ、市内随一の規模を誇ったが、借地契約を更新できず、5月6日に営業を終えた。 店にはキッズスペースや机を備えたフリースペースがあり、子どもたちや自習する高校生たちも来店していた。決まってパズル雑誌を買いに来る高齢者もいた。そうした人たちが集まる場所を菊川からなくしたくない――。そう考えた鈴木さんは独立して書店を開くことを決めた。SNSで取り組み発信 鈴木さんがインスタグラムやX(旧ツイッター)で開業に向けた思いや取り組みを発信すると、支援が広がった。当てにしていた物件が借りられなくなると、「ここはどう?」「あそこは?」と紹介してくれる人たちが現れた。 賃貸でと考えていたが、好条件の提示があり、金融機関の店舗だった小笠地区の物件を購入する方向で話を進めているという。多額の初期投資が必要になるが、月々の返済は賃貸より少なくなる見込みだ。購入すれば、再び借地契約に悩まされることもなくなる。「空き倉庫使って」 リブレ菊川店から譲り受けた本棚を開業までどこで保管するかも悩みの種だった。業者に頼むと月々かなりの費用がかかるためだ。生活に余裕があるわけでもなく、開業まで無職の身としては、少しでも出費を抑えたかった。 すると、廃業した茶農家から「空いている倉庫を使って」と申し出があった。書店でアルバイトをしていた高校生の親族で、費用を尋ねると「店を開いたらあの子をまた雇ってくれればいい」と言われたという。 本の流通を担う取次業者との契約がまとまれば、改装工事などの準備を本格化させる。店舗は300平方メートルほどの広さで、15席ほどのカフェスペースやキッズスペースも設ける予定だ。将来的には2万~3万冊の品ぞろえを目指すが、まずは1万冊程度から始める。遅くとも年内には開業したいという。作家の角田光代さんも応援 CFは「キャンプファイヤー」のしずおかMIRUIプロジェクトで行い、目標金額は「最低の目標」として80日間で300万円に設定した。すでに250万円を超え、好調なスタートを切ったが、より多く集まればそれだけできることが増える。寄付額に応じて返礼品も用意しているが、「返礼品よりも書店にお金を使って欲しい」との声もあるという。CFには作家の角田光代さんらが応援のメッセージを寄せた。 鈴木さんは「本が理由じゃなくても来てもらえる店にしたい。人が集まればコミュニティーができる。それだけで意味がある」と意気込んでいる。 CFはこちら(https://camp-fire.jp/projects/935082/view)から。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません