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鎌倉駅近くで32年間、文学の書籍や骨董(こっとう)などを扱っていた古書店「游古洞(ゆうこどう)」(鎌倉市御成町)が6月14日、閉店した。街の本屋が減少するなか、またひとつ個性豊かな本の店がなくなり、惜しむ声が寄せられている。 駅西口から徒歩3分。店の前には100円の文庫本、道路に面した棚にはアンティークなマイセンの人形やノリタケのカップ、壁には江戸版画や絵画が所狭しと並んでいた。小林秀雄、小津安二郎らが通った天ぷら店閉店 芳名帳に文士らずらり 店内に入ると背丈以上の中央の棚に萩原朔太郎や三島由紀夫、谷崎潤一郎らの初版本がびっしり。日本文学、海外文学、詩集、美術、俳句、鎌倉関連の書籍など2千~3千冊があった。 鎌倉・小町通りの古書店でアルバイトをしていた増田多賀子さん(82)が1994年に開業した。吉行淳之介ら第三の新人世代が好きで、「赤字にならなければいい」と覚悟を決めた。 当時の古書店主に必要だったのは、古書に値段をつける眼力。古書を取り扱う業者の組合の先輩らから学んだ。 「散歩する詩人」といわれた田村隆一や劇作家の井上ひさしら鎌倉文士も立ち寄った。 地の利もあった。観光客も訪…