ストーリー本屋大賞の壇上に立った書店員 貫いたこだわり、店は閉店するけれど別宮潤一印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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6月、一人の書店員が人生何度目かの岐路に立った。 人生に迷った時は、その時々に出会った本が彼の背中を押してきた。今回もそんな本が現れるはずだ。 その少し前の4月。南隆大(りゅうた)さん(37)は、東京で開かれた「本屋大賞」授賞式の壇上にいた。 作家の原田宗典さんと向かい合う。緊張して、話したいことが話せなかった。原田さんは「スピーチ、緊張するよね」と優しく声をかけてくれた。 南さんは、本屋大賞の発掘部門に、原田さんの「旅の短篇(たんぺん)集 春夏」(2000年発売、角川文庫)を推薦し、受賞につなげた。 行きつけの古本屋で見つけ、初めて原田さんの本を読んだのが昨秋。「少年の心で文章を書く人だ」と魅せられ、その古本屋で続いて手にとったのが、すでに絶版になっていた「旅の短篇集」だった。 外国人との共生をめぐって揺れる世論に訴える1冊になると感じ、こう推薦文を書いた。 「(世界中の旅先で)登場する人たちが読者に向けていたずらっぽい笑顔を向けているような感覚になる」 「現実には起こり得ない不思議な出来事で満ちてはいるが、たしかに自分の心と世界中の人たちとの距離が縮まった瞬間だった」 授賞式の晴れ舞台で、しかし、南さんの胸の内は喜び一色ではなかった。 「6月で閉店します」 授賞式の少し前、南さんが契…この記事は有料記事です。残り1051文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする