現場から「私は助かった」パンケーキクラッシュの高層住宅で ベネズエラ地震ベネズエラ北部カティアラマル=田村剛印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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「まるでミキサーに入れられたようだった」「地面がゼリーのように揺れた」――。南米ベネズエラで6月下旬に発生した地震で最も大きな被害が出た北部のラグアイラ州を訪れると、人々はそんな言葉で口々に揺れの激しさを表現した。一帯の高層住宅は地震で相次いで崩落したが、建物内にいながらも生還した人たちがいる。どんな状況で命が救われたのか。 突然の強い揺れが起こったとき、ラグアイラ州の町カティアラマルに住むヘスス・ボナシさん(45)は、ちょうどシャワーを浴びようと浴室に向かったところだった。「地面がぐるぐると回った。まるでゼリーのようだった」と地震の大きさを振り返る。少女の左手見えた、ベネズエラ地震「二重の悲劇」現場から記者が報告 大規模な地震がベネズエラを襲ったのは6月24日午後6時ごろ。マグニチュード7.2と7.5の地震が立て続けに発生し、ラグアイラ州一帯に甚大な被害をもたらした。 ボナシさんの自宅は12階建ての公営住宅の10階にあった。すぐに浴室を飛び出し、リビングにいた母親を抱きしめて床に突っ伏した。その瞬間、部屋の廊下が吹き飛び、両側の壁がなくなった。 ドスン、ドスン、ドスン、ドスン……。すさまじい衝撃とともに、自分がいる階の床がエレベーターのように下へ下へと落ちていくのがわかった。ドーン。今度は上の天井がものすごい音を立てながら落下してきた。 「もうだめだ」。そう思ったところで、天井はちょうど横にあった洗濯機に引っかかって止まった。崩れてきた天井と床の間にわずかな隙間が生まれ、そこにたまたまいたボナシさんと母親は命をとりとめた。 すべてがあっという間の出来事。散乱したがれきをかき分けながら、外にはい出した。建物は上層階が下の階をつぶす形で垂直に崩落する「パンケーキクラッシュ」が起き、1~12階がぺしゃんことなっていた。 「押しつぶされた建物を見て、恐怖で体が震えた。神様が守ってくれたとしか言いようがない」。ボナシさんはそう言ってシャツを脱ぎ、背中に残るたくさんの切り傷を見せた。 がれきの中にはまだ多くの人が取り残されていると見られる。ボナシさんは地震発生の当日から、現場に残って捜索を手伝っている。 「あの中に自分の家族がいたらと思うと、本当に胸が張り裂けそうになる。生き残った者として、最後まで力になりたい」薬を飲み忘れて自宅へ 別の公営住宅で暮らしていたミレナ・エスコバルさん(68)は、外出しようと自宅を出た直後、薬を飲み忘れたのを思い出してちょうど自宅に戻ったところで地震に襲われた。 ガタガタガタ。家の中のあら…この記事は有料記事です。残り803文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません