現場から「息子はいつ見つかるの」異臭漂う土ぼこりの現場 ベネズエラ地震カラバジェダ=田村剛印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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男性が指さした先の地面を見て、思わず息をのんだ。がれきの上に、髪の毛がついた人の頭の一部があった。地震で高層住宅が崩落し、下敷きになった犠牲者のものだ。巨大なコンクリートの塊が一気に崩れ落ちた衝撃を物語っていた。 「体はこの近くに埋まっているはずです。たぶんこのコンクリートの中のどこかに」。男性は何層にも重なった分厚い板状のコンクリートを見ながらそう言うと、近くに落ちていた布をそっと上にかけた。 南米ベネズエラで6月24日に起きたマグニチュード7超の地震で大きな被害が出た北部の町カラバジェダ。12階建ての高層住宅9棟が崩落した現場では、地震発生から半月が過ぎた10日も、下敷きになった行方不明者の捜索が続いていた。【動画】ベネズエラで6月24日に起きた大地震の死者が増え続けている。政府の対応が遅いとして、住民からは批判の声が上がっている=田村剛撮影 この高層住宅には2千人以上の住民がいたとみられ、今もがれきの下には多くの行方不明者が残る。収容が遅れているのは、建物が1階から最上階まで一気に崩落したことで、床や天井だったコンクリートが何層にもわたって現場を覆っているためだ。 倒壊現場は1万平方メートル以上。家族や近隣住民らは電動ドリルやツルハシ、石ノミなどを使ってトンネルを掘り続けており、毎日のようにあちこちで新たな遺体が収容されている。数日前からはクレーン車やショベルカーの台数も増え始めた。少女の左手見えた、ベネズエラ地震「二重の悲劇」現場から記者が報告 9日の夕方には、コンクリートの一番下の部分から、車いすに乗ったままの遺体が収容された。1階に住んでいた65歳の男性だという。「足が悪かったので逃げることもできなかったんだね」。遺体を確認した娘と孫はそう言って悲しんだ。亡くなった親族は6人目だという。 行方不明者の捜索や遺体の収容にあたるのは、家族や近隣の住民がほとんど。現場で寝泊まりしながら、二次災害の可能性もある中で穴を掘り続けてきた。昼間は気温が30度を超え、湿度も高いため、熱中症で倒れる人もいる。 地震発生後、被災地には世界の約30カ国から続々と救助隊が到着したが、すでにその多くが撤収。支援の重点は医療や公衆衛生面に移っている。 遺体の収容を続けるアルゼンチンの救助隊の男性は「多くの救助隊にとって、まず生存者の救出が最優先。遺体の収容は住民任せになっている」と話す。「高い建物が崩れた現場では特に遺体の収容が難しい。プロの支援がもっとあってもいい」 今回の地震では軍や消防、警察などの初動が遅かったとして、住民からベネズエラ政府を批判する声が出ている。 町にはがれきを積んだトラックが行き交い、茶色い土ぼこりが一帯を覆う。異臭が漂うなか、抱き合って泣く人たちがあちこちにいる。行方不明者の捜索現場で女性が叫んでいた。「私の息子はいつになったら見つかるの」 ベネズエラ政府によると、地震による死者は10日までに4118人になった。行方不明者数の発表はなく、被害の全容はいまだわからないままだ。10メートルのトンネル、2週間かけて遺体に ベネズエラで6月24日に起…この記事は有料記事です。残り1362文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません