ストーリー核のごみ文献調査、小笠原村長の苦悩と決断 国全体の議論と理解願う多田晃子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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日本のどこかに必ず設けなければならない。でも、どこも簡単には受け入れられない。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定は、そうした課題を抱えてきた。選定プロセスの第1段階にあたる文献調査が東京都小笠原村の南鳥島でも始まったが、国が主導して自治体に調査を申し入れた初のケースだ。渋谷正昭村長は、最終処分場の問題は国民全体で議論すべきだと訴える。国と相対した首長は何を考え、どう判断したのか。複数回の水面下での打診、重ねた国や都への依頼 「南鳥島で文献調査をしたい」。2022年、経済産業省資源エネルギー庁の担当幹部からの内々の言葉に、渋谷村長に驚きはなかった。 副村長だった19年、東京電力から最終処分場などの説明を受けた当時の村長から、資料を渡され「考えてみてくれ」と言われていた。北海道の寿都町や神恵内村では20年11月に文献調査が始まり、南鳥島を地質学的に適地とする学者の意見なども見聞きした。21年に小笠原村長に就任してからは「いつか決着をつけなきゃいけないのかも」との心づもりがあった。 村役場がある父島は東京都心から約1千キロの場所にある。南鳥島はさらに父島から約1200キロ離れ、面積は約1・5平方キロメートル。一般の住民はおらず、訪れたことのある村民はほとんどいない。渋谷村長も村役場の職員時代に選挙の事務で2回訪れ、1時間ずつ滞在したぐらいだった。 経産省の担当幹部とはその後2回ほど面会し、調査の打診を受けた。渋谷村長は自身でも選定プロセスの仕組みを調べ、文献調査は自治体の手挙げだけでなく、国からの申し入れを自治体が受諾する方式でも始められることを把握した。 25年11月、経産省から南鳥島での文献調査を申し入れたいとの意向が伝えられた。手挙げを待つだけでは候補地が増えず、小笠原村も手挙げをする予定はないため、国として申し入れたいとの趣旨だった。渋谷村長は、国が他の自治体への申し入れも目指していると感じ、申し入れ先が小笠原村だけではなく複数の自治体になるよう依頼した。 今年2月9日、経産省が「村に説明の機会を設けたい」と伝えてきた。正式な申し入れに向けた動きが本格化し、「自分一人で抱える案件ではない」と判断。村議や村民への説明の機会を求めた。都の担当の局長や部長にも申し入れの見通しや説明会開催の方針を伝え、都として少なくとも文献調査には反対しないよう依頼した。これらは小池百合子知事にも伝えられたという。追われる対応、一気に寄せられた村内外からの意見 2月16日には、経産省と原…この記事は有料記事です。残り1360文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません







