深掘り2026年7月7日 5時00分平賀拓哉=北京 笹山大志 小木雄太 ジャカルタ=河野光汰印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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中国が発表した原子力潜水艦からのミサイル発射に対し、日本政府は現状、冷静に動向を注視する構えだ。だが、中国軍は戦力を急速に増強させて太平洋での存在感を高めており、周辺国との間で緊張を高める可能性がある。中国が潜水艦からミサイル発射 「訓練計画に基づく」と新華社中国の潜水艦ミサイル発射、「常態化」メッセージか 日本識者の見方 今回発射されたミサイルについて、共産党機関紙・人民日報系の環球時報のニュースサイト「環球網」は6日、昨年9月に北京で開かれた軍事パレードに登場した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「巨浪(JL)3」である可能性が極めて高いとする軍事専門家の見方を伝えた。射程は1万キロ以上だという。 SLBMを原潜に搭載すれば長期間にわたって浮上せずに海中に潜むことができるため、攻撃の兆候を把握されにくい。中国軍は今回、発射地点を明らかにしていない。英国際戦略研究所の「ミリタリーバランス2026」によると、中国軍は巨浪3を搭載可能な原子力潜水艦を6隻保有している。同研究所のサイトによると、中国が近年潜水艦製造能力を高めており、衛星画像の分析から2025年までに6隻とは別に2隻の同型艦が進水したのは「ほぼ確実」としている。 中国は急速に海軍・ミサイル戦力を向上させつつ、西太平洋での軍事活動を活発化させている。2024年9月には大陸間弾道ミサイル(ICBM)を太平洋の公海へ向けて発射。米ハワイ南方の公海上に落下したとみられた。 笹川平和財団戦略・抑止グループ長の山本勝也氏は「かつては渤海から中国の内陸部に発射していたが、太平洋に向けたミサイル射撃が常態化しつつある」と指摘。軍事力の誇示に加えて、5月の米中会談後も台湾問題で原則的な立場を維持する米国へのメッセージであるとも分析する。 周辺国からは地域の緊張が高まることを懸念する声が出た。オーストラリアのマールズ副首相兼防衛相は、中国から発射の数時間前に通告を受けたと明らかにした上で「これは長距離ミサイルの発射実験であり、地域の安定、平和、安全保障を損なういかなる行動も深く懸念している」と述べた。 ニュージーランドのピーターズ外相は「中国は本日、我々に実験計画を伝え、懸念に関わらず数時間以内に実行した」と述べた上で「好ましくない、憂慮すべき事態。近隣諸国同様、中国が南太平洋をミサイル能力実験場として使用することに何の関心もない」と述べた。 日本政府としては冷静に事態を受け止めている。外務省幹部は、中国側が設定した落下海域に排他的経済水域(EEZ)が含まれていたものの、国際的な慣例に基づく事前通告があったことなどを踏まえ、「いきなり目くじらを立てて怒るようなものではない」と語る。まずは、中国側の狙いも含めた情報の分析を優先するという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません















