インタビュー小豆島は「外とつながる入り口」 学生と島おこしをする森亜紀子さん2026年7月4日 16時00分石崎太貴印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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沖縄からミクロネシアに渡った移民の歴史を研究する森亜紀子さん(45)は、5年前に香川県の小豆島に移住した。研究の傍ら、地域おこし協力隊員として島外の学生と地域課題の解決にも取り組んできた。研究者の視点から小豆島をどう見ているか聞いてみた。 ――移住してどんなことを 関西の大学の非常勤講師をしていましたが、2021年に小豆島北部の土庄町大部地区に夫と2人で移住しました。町の地域おこし協力隊員として、島外から来る大学生と協力し、人口が減ってもその土地に住み続けることができるような地域づくりを模索してきました。 島の子たちは大学進学のタイミングで島外に出ていってしまうことが多い。だから若者の視点を取り込んで地域づくりをしていかないと、次の世代は島に来てくれません。 ――具体的にはどんな取り組みを 25年は香川大生が取り組んだプロジェクトの一環で、島の北部にある道の駅「大坂城残石記念公園」のお土産を企画、販売しました。大坂城が再建された際、小豆島の花崗岩(かこうがん)が切り出されて石垣に使われた。公園には、切り出されたものの輸送されなかった石が残っています。 石材業が盛んだった地域の人たちは仕事に対する誇りが強い。でも高齢化が進み、集落が衰退して、観光客をうまく呼び込むことができていなかった。そこで、花崗岩をイメージした「石チョコ」をプロデュースしました。今は認知度も上がって、他のお土産屋さんにも置いてもらっています。 ――25年から協力隊よりもさらに専門性が求められる「地域プロジェクトマネジャー」に 学生たちとの活動を続けながら、島内外の人に学びや交流の場を提供する目的で町がオープンした多目的交流拠点「ユカリノSPACE小豆島」の運営を任されています。 旧土庄高校の校舎の一部を改装したレンタルスペースで、会議室やシアタールームもあります。リモートワークをする社会人だけでなく、テスト前の中高生にも人気で1年間に延べ2600人が利用してくれました。 ――小豆島は、調査してきた沖縄と比べてみてどうですか 沖縄と似ているところがあると思います。小豆島はそうめんやしょうゆの名産地ですが、これらは交易を通して発展してきた。しょうゆは大坂城築城で島に来た石工が持っていたことから(島民が)その存在を知り、つくり方を学ぼうと島外に見習いに出たとされています。 そういう意味で、小豆島は小豆島だけではできていないんです。関西を中心にいろんな人との交流を通して地場産業や文化が育ってきた。沖縄も琉球王国だったときから交易で経済が成り立っていた点で、二つの島は共通しています。 ――森さんにとっての小豆島とは いろんな世界とつながる入り口です。小豆島は香川県の周辺部かもしれません。周辺には光が当たらないことも少なくありませんが、見方を変えれば、隣り合う世界への入り口です。周辺にある小豆島は関西や中国地方との接点とも言えます。 そう考えると、周辺だからこそ見えてくる世界があるのではないでしょうか。その周辺がなくなってしまわないように形あるものとして残すことが私の研究であり、地域おこしの仕事だと思っています。森亜紀子さんのプロフィール もり・あきこ 1980年生まれ、広島県呉市出身。京大院農学研究科で博士号取得。同志社大〈奄美―沖縄―琉球〉研究センター嘱託研究員。今年2月に「南洋群島に生きた沖縄移民」(京都大学学術出版会)を出版。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






