ストーリー部下が上司を誘って移住、香川でイチゴ農家に「一緒なら補い合える」山下裕志印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする上司と部下だった二人が一緒に移住し、香川県三木町でイチゴ農家になった=山下裕志撮影

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3月下旬の早朝。香川県三木町にある真新しいビニールハウスはまだ薄暗い。西浦万理さん(35)と森田皆子さん(34)が、赤く色づいたイチゴを黙々と摘み取っては、一つずつコンテナに載せていく。 縁もゆかりもなかった町に二人で移り住み、「みらいいちご」の屋号でイチゴを作り始めて3度目の春。いつもの朝の収穫風景は、ほんの数年前には「想像すらできなかった」と西浦さんは笑う。 二人はかつて、大手人材会社の大阪支社で働く上司と部下の関係だった。西浦さんが営業課長だった2018年、広島から異動してきて直属の部下になったのが森田さん。看護師の転職を支援する同じ部署で机を並べた。 上司の西浦さんにとって、森田さんは放っておけない後輩だった。一人ひとりの顧客に全力で向き合うあまり、ついつい仕事の効率が落ちてしまう。 「でも長い目でみると、森田のように自分の全てをぶつけて顧客の信頼を得ないとやっていけない」と一目置いてもいた。お互いに小規模な支社から都会の大阪支社に配属された境遇も似ていて、いつしか仕事を終えて飲みに行く間柄になった。 変化が訪れたのは、いつものように二人で飲んでいたときだった。森田さんが切り出した。「西浦さんと一緒なら」 「今の仕事は好きですが、も…この記事は有料記事です。残り1222文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする