ストーリー「ザ・ぼんち」に「ぼんち揚」 関西に今も息づく「ぼんち」の由来は岩本修弥印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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またまた勝手に関西遺産 ぼんち。先日、再ブレーク中の漫才コンビ「ザ・ぼんち」の里見まさとさん(74)に取材した際、コンビ名の話になった。 故・山崎豊子さんの小説「ぼんち」(新潮社)が由来だそう。タイトルは聞いたことがあるが、読んだことはない。金持ちの息子というイメージがあるが、それっていわゆる「ぼんぼん」のことか? どう違うのだろう。 ひとまずぼんちを読んでみる。舞台は昭和初期の大阪・船場。足袋問屋の一人息子を主人公に、船場商家の特殊な家族制度や風習を描いた長編物語だ。 父が死に際に主人公に語った「ぼんぼんになったらあかん、ぼんちになりや。男に騙(だま)されても女に騙されたらあかん」という一言が印象に残る。女性遊びや飲酒など放蕩(ほうとう)を重ねるが、ひとたび事が起きれば先頭に立つ。頼りになる男として主人公は映った。スケールの大きな「ぼんぼん」 山崎さんのあとがきには、大阪では良家の坊ちゃんのことを「ぼんぼん」と言うが、根性がすわり地に足がついたスケールの大きなぼんぼんのことを「ぼんち」と呼ぶとあった。 なるほど。勇ましいぼんぼんがぼんちなのか。一応「日本国語大辞典第二版」(小学館)も引いてみる。「男の子を敬って呼ぶ語。坊ちゃん。ぼんぼん」とのこと。 「大阪ことば事典」(牧村史陽編)には「他人の息子の愛称。面と向かっていうときには『ぼんぼん』、かげでその人を指すときは『ぼんち』」と書いてあった。山崎さんの小説については「勝手気ままな解釈であって、実際にはそんな区別はしていない」とばっさり。見解が割れているが、はたして……。あのお菓子も そういえばお菓子にも「ぼんち揚(あげ)」ってあったな。関係あるのだろうか。ぼんち株式会社の神戸工場を訪ねた。 「実は、うちの由来も山崎豊子さんの小説からなんです」。マーケティング部次長の六十田(むそだ)新さん(53)が教えてくれた。 創業者の故・竹馬治郎さんが1960年、前身の揚げせんべい「揚小丸(あげこまる)」を発売。その後、だしの利いた薄口しょうゆの関西らしい味付けに改良した。新しいネーミングを考えた時に、小説人気にあやかったという。昨年発売から65周年を迎えた。 六十田さんは「主人公の生き様にひかれたんでしょうね。真面目に商売して、お客さんの笑顔もおいしいおせんべいも『創る』。そんな思いがあったのではないでしょうか」と話す。 かつおと昆布のだしを使ったタレで味付けし、やさしい味わいに仕上がった関西のソウルスナック。親しみやすさや食べたくなる魅力は、取っつきやすい商品名の影響もあるのかも。タージンさんに聞く「ぼんち」の魅力 そんなぼんち揚をこよなく愛…この記事は有料記事です。残り960文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません