【社説】浜岡原発不正 組織的な隠蔽か、中部電力に再稼働の資格ない2026年7月2日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●中部電力は原子力規制委員会の調査開始後も、浜岡原発のデータ不正を続けていた●組織的な隠蔽ならば、安全審査の根幹を二重に揺るがす行為。原発の運転資格はなく、経営陣の責任は極めて重い●規制委は実効性ある再発防止策を講じなければならない
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中部電力が浜岡原発で耐震設計の要となる基準地震動のデータを不正に操作していた問題で、改ざんは原子力規制委員会の調査が始まった後も続いていた。規制委は、組織的な隠蔽(いんぺい)の意図を指摘する。 安全審査の根幹を二重に揺るがす行為だ。事実なら中部電に再稼働の資格はない。経営陣の責任は極めて重い。 1日の調査の中間報告で浮かび上がったのは、浜岡原発3、4号機の再稼働審査で、想定する地震の揺れを過小評価しようとした意図だ。 不正は2025年2月、規制委への情報提供で発覚。規制委は調査を重ね、不正の手口や隠蔽とみられる行為を明らかにした。 委託業者に多数の地震波を算出させ、その中から基準を超える揺れを除外した上で候補を抽出。別系統の専門部署に「○」「△」「×」などと評価させ、都合のよいデータを代表波としていた。追加の耐震工事や審査結果への影響を避ける狙いがあった可能性がある。審査の前提となるデータの信頼性を損なう行為で、断じて許されない。「倫理観の喪失が組織的に」 不正隠しとみられる行為は、規制委が中部電への聞き取りを始めた25年5月以降も続いた。代表波225件のうち69件のデータをひそかに修正。発覚を避けようとしたとみられ、組織的関与の疑いが濃い。規制委の山中伸介委員長が「倫理観の喪失が組織的に起きていた」と指摘したのは当然だ。 上層部の関与を含めた全容解明はこれからだが、組織全体のマネジメントに問題があったのは明らかで、安全を最優先すべき原発事業者にとっては致命的だ。 中部電は第三者委員会を設置し、事実関係や原因究明を進めている。規制委はその内容も踏まえ、行政処分を検討する。6月25日の株主総会では、勝野哲会長と林欣吾社長の再任が承認されたが、賛成率は前年より30ポイント以上も低下。トップの責任論が一段と強まるのは必至だ。 東京電力福島第一原発の事故後、原子力業界は安全文化の再構築を掲げてきた。中部電は、その取り組みの途上で、不正に手を染めた。 浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域に位置し、他の原発に比べてもリスクが高い。なおさら安易な再稼働は許されない。 規制委の審査のあり方も問われる。まずは不正の範囲や動機、組織的関与の有無を徹底的に解明することが不可欠だ。虚偽申告への罰則強化や、データの検証可能性の確保など、実効性ある再発防止策も講じなければならない。中部電力の浜岡原発データ不正問題とは 規制委の調査開始後も操作「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません








