ストーリーその男は「アラビア太郎」 油田開発、若者支援…波乱の歩みが講談に阿部浩明印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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その男は「アラビア太郎」と呼ばれた。秋田県横手市大森町出身の実業家、山下太郎。ペルシャ湾で油田開発に成功し、郷里の若者たちを支援するため、惜しみなく私財を投じた。その波乱の生きざまが講談となってよみがえる。東京在住の講談師、田辺鶴遊(かくゆう)さん(47)が、8月の初公演に向けて創作中だ。「戦争の原因は日本のエネルギー政策に」 山下が「アラビア太郎」の異名をとるようになったのは、中東での先駆的な石油開発の業績による。戦争の原因は日本のエネルギー政策にあると考えた山下は、欧米の大手石油資本に頼らない独自油田を目指して石油利権を獲得した。 「アラビア石油」を設立し、2年後の1960年、ペルシャ湾の海底でついに油田を掘り当てる。エネルギーの主流が石炭から石油へと代わるころと重なり、日本の高度経済成長を支えた。 その後、採掘権の失効とともに事業からは撤退したが、アラビア石油で育った技術者は日本の石油業界で広く活躍したという。 事業とともに山下が力を入れたのは、ふるさと秋田への支援だ。さまざまな寄付をしたほか、その遺志を継いだ妻文子さんは若者の向上心を物心両面で応援しようと、10億円を投じて山下太郎顕彰育英会を設立。若手の研究者を後押しするため奨励賞や海外派遣助成にも力を入れた。 山下太郎顕彰育英会によると、これまでに交付した学生への奨学金は511人で、総額約9億6500万円に上る。 こうした山下の足跡を多くの人に知ってもらいたいと、同郷で「関東地区大森町ふるさと会」副会長の遠藤徳家志(とくやし)さん(76)が、鶴遊さんに講談作りを依頼した。 8月1日に東京で開かれるふるさと会の総会で、初披露される予定だ。これまでも尾崎行雄、後藤新平らを高座に パパン、パンと張り扇を打ち…この記事は有料記事です。残り774文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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