【社説】企業・団体献金の見直しこそが、真の「身を切る改革」だ2026年6月27日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●「政治とカネ」の問題の本丸である企業・団体献金見直しが積み残されたままだ●自民・維新提出の第三者機関に検討を委ねる案は、結論の先送りに過ぎない●ただちに禁止が難しいなら、抜本的な受け皿規制から始めるのも一案だ

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自民党の派閥の裏金問題を受けた政治資金改革で、企業・団体献金の見直しが積み残しになったままだ。政治とカネ、根強い政治不信のもと 高市政権の下、裏金に関わった旧安倍派幹部の復権が進み、先の衆院選で自民が大勝したことで、機運がしぼんでいることは否めないが、「政治とカネ」の問題に対する国民の根強い不信を甘く見てはいけない。これ以上先送りすることなく、改革の実を上げねばならない。 国会の会期末まで残り約1カ月となった18日、衆院政治改革特別委員会で、ようやく企業・団体献金のあり方に関する与野党の3法案の実質審議が始まった。 中道改革連合と国民民主党は、献金の受け皿を政党本部と都道府県支部に限る案を、参政党とチームみらいは、企業・団体献金そのものを禁止する案を提出している。自維の第三者機関案は「時間稼ぎ」 これに対し、与党の自民と日本維新の会の案は、政治資金の収入のあり方全般について、国会に学識経験者による第三者機関を設け、来年9月末までに結論を出してもらうというものだ。2023年の裏金問題の発覚以来、国会で議論を重ねてきたにもかかわらず、さらなる先送りをもくろむものというほかない。 委員会審議では、第三者機関の結論に必ず従うのかと問われた維新の議員が「(第三者機関と)各党議論の2段階」だと答えた。これでは、野党から「時間稼ぎ」と批判されるのも無理はない。 資金力のある企業や業界団体によって、政策決定がゆがめられはしないかとの疑念が、企業・団体献金にはつきまとう。その改革は、税金で賄う政党交付金を導入した「平成の政治改革」からの30年来の宿題でもある。 ただちに全面禁止が難しいというのなら、中道と国民が提案した受け皿規制から始めるのも一案だろう。「受け皿」の簡素化で、資金の流れの透明化を 現在、企業・団体献金を受け取れるのは、政党と各党が一つだけ指定できる「政治資金団体」に限られる。ただ、政党には支部も含まれるため、自民は各地に張り巡らした8千近い(24年1月時点)支部を通じて、多額の献金を集めている。受け皿を抜本的に簡素化すれば、政治資金の流れをより透明化することにもなろう。 自民と維新は「身を切る改革」と称して、野党各党が反対するなか、衆院議員の定数を1割削減する法案の審議入りを強行する構えだ。「政治とカネ」の問題の本丸である企業・団体献金に切り込むことこそが、真の「身を切る改革」であり、論点のすり替えは許されない。【社説】比例のみ45の定数削減 少数派の声塞ぐ与党の党利党略だ「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません