インタビュー高木文子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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3千メートル級の山々が連なる北アルプスは、国内きっての山岳観光地です。長野県側の2カ所の登山口でこの夏、登山者が持ち物や山岳利用のルールを確認するための「啓発ゲート」が設けられます。背景に何があるのか。ゲートができる横尾登山口で、40年以上にわたって横尾山荘の運営や遭難救助に尽力してきた山田直さん(64)に聞きました。 ――横尾登山口のゲートは、昨年の秋に環境省が設置したのが始まりでした。 昨年秋のゲートでは、若い登山者のグループが「山に入るには、やっぱり準備が必要だよね」と話しながら通過していたのが印象的でした。 ゲートは登山を制限するものではなく、日常とは気持ちを切り替える場所だと思います。いよいよこれで山へ入る、特別な場所へ自分の意思で入るのだと、確認する機会になっていました。 ――「ゴミや食べ物を残さない」といった、山岳地域の利用のルールやマナーも登山者がゲートで確認していました。 北アルプスは中部山岳国立公園に指定され、槍・穂高連峰の一帯は特別名勝、特別天然記念物です。自然環境を保全するために様々な法律による規制があります。 最近は登山者が多様化していて、以前なら当然だったルールやマナーを知らない方もいます。ゲートで改めて理解していただく必要があると思います。登山を安全に楽しむには山岳遭難が3年連続で最多を更新し、登山口にゲートができた長野県。登山者は何に注意すればいいのでしょう。山小屋歴40年以上の山田さんが語る「困りごと」をヒントに考えます。記事後半で猛暑やインバウンドの話題も紹介します。登れても、下山できない ――登山者の多様化によって、現地で何が起きていますか。 準備不足の方や、登ろうとする計画と技量が合わない方が訪れるようになりました。県内の山岳遭難をみても、疲労や道迷いといった理由で救助を求め、結果的に無事救出された方が4割以上います。 遭難に至らなくても心配な方も大勢います。たとえば、5月は残雪の多い時期ですが、夏用の靴と簡易アイゼンで3千メートル級の山をめざす方がいます。 山小屋は、国立公園事業者として公的な役割を担っています。心配な登山者がいれば、行き先の山小屋へ連絡を取り、無事に着いたか確かめるようにしています。 何とか稜線(りょうせん)の山小屋まで登れても、翌朝に気温が下がって斜面が凍れば下山できないかもしれません。稜線の山小屋のスタッフも適切な助言をして、場合によっては道具を貸して、安全な場所まで付き添って下りています。最近は頻繁にこうした対応が必要になっていて、山小屋のスタッフが疲弊しています。スーツケースを引いて雪山へ ――北アルプスの玄関口・上…この記事は有料記事です。残り1239文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません







