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20年あまりかけて集めたサイン510枚、一枚も欠けずに残っています――。色紙じゃない。瓦に書いてもらう。割れない、ずっと変わらない、石見の文化に支えられている。 島根県益田市の県芸術文化センター。コンサートホールや美術館があり、「グラントワ」の愛称で親しまれている。 屋根に使われている瓦は、石見地方伝統の「石州瓦」。屋根にとどまらず外壁にもふんだんに使われ、建物全体が28万枚の瓦に覆われている。渋谷駅周辺の再開発などを手がけた建築家、内藤廣さんが設計した。 建物を風雨から守る瓦だが、グラントワにはもう一つの使い方がある。2005年の開館からひそかに続く習わし「サイン瓦」だ。どっしり、楽屋に届く重み 音楽や美術など様々な分野のクリエーターやアーティストたちがここを訪れ、石州瓦にサインする。縦29.5センチ、横23.5センチ。どっしり重い。 舞台裏では、公演のたび色紙代わりに瓦が差し出される。お決まりの光景で「サインを拒否されたことは一度もない。非常に珍しがって、面白がって書いてくれます」(グラントワ内のいわみ芸術劇場の木原義博館長)。赤い土の上に重なる世界の筆跡 最初の1枚は、出雲市出身で…この記事は有料記事です。残り757文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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