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同じ街に40年間も住んだけれど……。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻(まわ)り猫」。今回は、海外で働く準備をしていて、あることに気づいた男性のエピソードです。「街に話せる人がいない」夜の街を回っていた、猫の遠藤平蔵と子猫の重郎。街のお店に貼られた「閉店のお知らせ」を読む、男性の心の涙の匂いに気づいて、声をかけました。しかし男性は「別に」とすげない態度。重郎が「ニー」と鳴きながら地面に寝転がっておなかを見せると、男性も心を許して、重郎を肩にのせて自分のことを語り始めました。ひとり暮らしの男性は40年間ずっとこの街で暮らしていました。定年のあと2年間、海外で働くことになりました。「準備を始めて、はたと気づいた さよならを言う相手がいない」「40年も住んだ街に、話せる人がいないんだ……実は貧しい人生を過ごしてきちゃったのかなって」一度、重郎を無視してしまったことを、男性は「さっき知らん顔しちゃった、ごめん お前は強いね」とはにかみながら謝ります。重郎と遠藤は笑顔で、「幸運を!」と男性を見送るのでした。昇進を打診「家に持ち帰って相談します」作者の深谷かほるさんは「都内の飲食店は数年でその多くが閉店してしまう……と聞いたことがあります。そんなに短いのかと驚き、注意して見ているのですが、確かに私の住む街でもほとんどの飲食店さんはそのくらいのスピードで変わっています」と話します。「そして住宅街でも。私は今住んでいるところに30年ほどいるのですが、去年あたりで半分以上の家が建て替わりました」と指摘します。「会えば話が出来た人達がいなくなるのは大変寂しいです。しかし一方では、水害が多かった川が治水されたり、座りにくいベンチが昔の優しいベンチに戻されたり……。いい変化もあります。自分も一つでもいい変化に加われたらいいな、と思っています」マンガ「夜廻り猫」猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。SNS上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。 ◇深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本12巻(講談社)が2026年5月に発売。7月16日から東京・丸善丸の内本店で原画展を開催する。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が2024年11月22日に発売。ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel