視点・解説第7回アクリル板なしで話した山上被告との10時間 宗教学者が見たもの印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする【プロローグ】山上被告の転落は止められたのか 整えられなかった過去をたどる
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「いかなる理由があっても殺人は許されない」 弁護人は、裁判の最後にそう述べた上で、山上徹也被告(45)が「宗教が関わった虐待の被害者でもある」と強調した。 どうすれば事件をとめられたのか。その手がかりを探りながら、私たちは裁判を取材してきた。 母親は1991年に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信すると、わずか半年余りで5千万円を献金した。 家計を支えていた祖父は孫にも「出て行け」と言うようになり、大学進学の芽を摘まれた兄は母に暴力を振るった。 そんな家庭で山上被告は母の「聞き役」になり、祖父と兄をなだめ、自衛隊に入って家計を支えた。 宗教を通じて財産を使い込み、子どもの生活に支障を生じさせる行為は事件後、国が「児童虐待」と定義するようになった。 「理不尽さ」に慣れるうち、自分で人生を切り開こうと前向きに考えることが難しくなり、孤立して他人に相談することも避ける――。「山上被告の歩んだ道は、教団の2世に多くみられるライフコース」。宗教社会学者の桜井義秀さんはそう話す。 北海道大大学院特任教授で、80年代から教団の研究を続ける人物だ。裁判が始まる前、弁護団の依頼で5日間、計10時間にわたって大阪拘置所の山上被告と向き合った。 アクリル板の仕切りもない面会室で、2人きりで話した。 生い立ち、事件までのこと…この記事は有料記事です。残り1395文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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