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高額献金の勧誘などが問題視された世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、解散を命じる司法判断が確定した。最高裁第三小法廷(渡辺恵理子裁判長)が22日付の決定で、教団に解散を命じた東京高裁決定を支持し、教団側の特別抗告を棄却した。審理した裁判官4人全員一致の意見。 教団に対しては3月の高裁決定を受け、清算人(弁護士)が教団の財産を整理して被害者に弁済する「清算手続き」が始まった。最高裁が解散を支持したため、清算手続きが取りやめになる可能性はなくなり、宗教法人としての教団に関する司法手続きが決着した。 宗教法人法は「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」があった場合、宗教法人に解散を命じることができると定める。 法令違反による解散命令は、地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教(1996年確定)、供養料などを詐取した明覚寺(2002年確定)に続いて3例目。過去の2件は幹部が刑事責任を問われたことが理由となったが、今回は初めて民法の不法行為が根拠となった。憲法が「信教の自由」を保障しているため、宗教団体として信仰や宗教活動は続けられる。【そもそも解説】解散命令で教団はどうなるのか教団側「被害の訴え減った」と主張 旧統一教会は韓国で1954年に創設され、日本では64年に宗教法人として認証された。80年代には、困りごとを抱える人に対し「不幸なのは先祖の因縁のせいで、解消するにはつぼや印鑑を買う必要がある」などと不安をあおる「霊感商法」が社会問題になった。 2022年7月、安倍晋三元首相の銃撃事件が発生。殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)は母親が旧統一教会の信者で「高額献金により家庭が崩壊し、教団を恨んでいた」とする動機が報じられた。その後、自民党議員を中心とする政治家と教団側との接点が相次いで明らかになるなか、文部科学省は23年、教団に対する解散命令を請求した。 文科省側は審理で、教団が数十年にわたり多くの人々の不安をあおって高額献金をさせ、平穏な生活を害したと主張。一方、教団側は、09年に出した「コンプライアンス宣言」以降は献金をめぐる被害の訴えは大幅に減ったなどと反論した。 東京地裁は25年3月の決定で、教団に賠償を命じた民事訴訟の判決や被害者との和解などから、1980年代以降の献金被害者は1500人以上、金額は約204億円にのぼると認定。コンプライアンス宣言後も組織体質は変わっていないと判断し、解散を命じた。 東京高裁もこの結論を支持した。高裁は、教団の献金収入の予算額が宣言後もそれまでとほぼ同じ約500億円で、15~21年度は予算の8~9割を集めたことなどから「宣言後も不法行為にあたる勧誘を継続した」と認めた。 そのうえで「被害者に多額の財産上の損害と多大な精神的苦痛を与えた。一般市民が平穏に生活できる社会秩序の維持という公共の利益が損なわれた」と述べ、解散命令を支持した。これを不服として、教団側が最高裁に特別抗告した。最高裁「必要でやむを得ない」 第三小法廷は22日の決定で、教団が1973年~2022年の長期間にわたり、不法行為にあたる献金の勧誘行為を続けたと指摘。通常の勧誘行為では達成できない数値目標を定めて信者らに献金の勧誘を求めるなど「組織的な関与」のもとで不法行為が行われた、と述べた。 また、こうした高額献金に対し教団が「実効性のある措置をとっておらず、今後も信者に勧誘を求めるおそれがある」と判断。信者らに及ぼす影響を考慮しても、解散命令によって教団の宗教法人格を失わせることは「必要でやむを得ない」と結論づけた。 今回、第三小法廷に所属する学者出身の沖野真已裁判官は審理に加わらなかった。理由は明らかになっていない。教団側は5月、沖野氏が学者時代に参加したセミナーで教団に批判的な発言をしていたと訴え、沖野氏の忌避(審理から外れること)を申し立てたが、退けられた。 教団は最高裁の決定に対し「清算手続きの開始に伴い、全国に300以上あった教会施設は一切立ち入りができなくなり、信徒らは大変な精神的および宗教的負担を強いられている。本決定はこれらを『間接的』な影響だとして一蹴するものであり、あまりにも残念でなりません。今後、信徒やその家族に対する人権侵害が生じないように、皆様に心よりお願いいたします」などとするコメントを出した。アクリル板なしで話した山上被告との10時間 宗教学者が見たもの