深掘り副首都法案に憲法学者ら「違憲疑い」指摘 自民は修正案、維新は反論石田耕一郎 川辺真改印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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自民党と日本維新の会が成立をめざす「副首都構想」の関連法案をめぐり、法学者や法曹団体が「憲法違反」の疑いを指摘している。大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の是非を問う住民投票の有権者を、大阪市民だけでなく大阪府民に拡大できるとする内容が含まれているためだ。 自民は維新に対し、住民投票の有権者を市民に限定する修正案を伝えているが、維新側は応じていない。22日にも自民の高市早苗総裁(首相)と維新の吉村洋文代表(大阪府知事)が会談して協議する見通しとなっている。「市のことを府民で決める」 自民と維新が協議中の法案では、副首都をめざす道府県で市を廃止して特別区を設置する際に、道府県の名称を「都」に変更する場合、特別区設置と名称変更の是非を同時に問う住民投票を道府県全域で行う、とする付則を盛り込んでいる。 自民が10日に開いた有識者ヒアリングには、広島大学法科大学院の新井誠教授(憲法学)が出席した。新井教授は朝日新聞の取材に、「大阪市のことを大阪府民で決めようとする法案は、地方自治を定めた憲法92条に違反する疑いがある」と語った。 憲法92条が定める「地方自治」は、住民が自ら地域のことを決める「住民自治」と、自治体が地域の行政について国や他の自治体などから干渉を受けない「団体自治」からなるとされる。 1963年の最高裁判決は「憲法で保障した地方自治の機能を法律をもって奪うことは許されない」と示した。「自治権を侵す恐れのある法律」 新井教授はこの判例に言及しつつ、国会が大阪市の自治権を侵す恐れのある法律をつくることや、大阪府民が住民投票で大阪市民の頭越しに市のあり方を決めることが、とりわけ団体自治に抵触する疑いがあると指摘する。 法案では、住民投票を実施するためには、大阪府・市両議会での議決が必要とされている。この点についても、新井教授は「大阪市議会が有権者を府民に広げることに同意したとしても、自治権の背理(論理矛盾)となり、認められない」と解説する。 仮に、法案がこのまま国会で可決され、成立した場合、「困難はあるものの、住民投票の差し止めなどを模索する動きはあるのかもしれない」とも指摘した。新井教授の解説をさらに詳しく 副首都法案をめぐっては、弁護士らでつくる自由法曹団大阪支部も同様に、住民投票の有権者の範囲を変える条文などが憲法92条に違反する疑いを指摘している。法曹団は「全国で政令指定都市の廃止が道府県の住民投票で決められることになる」と批判し、法案の撤回を求めている。吉村代表「憲法違反ではない」 「違憲の疑い」との指摘に対し、維新の吉村代表は今月15日、「(住民投票の)範囲をどうするかは、(都構想の具体案をつくる)法定協議会や(府・市)それぞれの議会で決めましょうという立て付けなので、憲法違反ではない」と記者団に述べ、反論した。 住民投票の対象を市民とするか、府民とするかについては「それぞれに理がある」と朝日新聞のインタビューで語り、法定協で年内に方針を決める考えを示している。 住民投票の範囲を広げられる付則は、そもそもどんな経緯で副首都法案に盛り込まれたのか。 3回目の住民投票実施をめざ…この記事は有料記事です。残り476文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人川辺真改政治部|自民党担当専門・関心分野国内政治、社会福祉、スポーツ関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする