インタビュー米国の新右翼を知る意味 「テクノロジカル・リパブリック」を読む聞き手・興野優平印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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トランプ米政権のイラン攻撃や移民政策にAI(人工知能)技術を提供する「パランティア・テクノロジーズ」社。共同創業者アレクサンダー・カープ氏らが著した「テクノロジカル・リパブリック」(村井章子訳、日本経済新聞出版)が議論を呼んでいる。「テック業界は国家と結びつき米国の覇権を再興せよ」という、危うくも見える主張の背景にあるものはなにか。米国の政治思想史が専門の神戸大教授の井上弘貴さんに聞いた。井上弘貴さんが読み解く「テクノロジカル・リパブリック」・「テック右派」に共通するいまの米国への危機感・軍需産業に加わる「腹をくくった」テック界の大物たち・ビジネスの文脈から紡がれる「思想」オリジナル性は感じられない ――本書の印象を教えてください。 「正直、オリジナル性はそれほど強く感じられません。近年、アメリカで防衛テクノロジーに関わっている人たちに共通する思いを語っている印象です。著者の2人は、この本でそう名乗ってこそいませんが、思想的には『テック右派』に位置づけられると思います」 ――テック右派とは? 「トランプ政権を支える右派思想の一翼を担っている立場です。X(旧ツイッター)オーナーのイーロン・マスク氏、本書を著したカープ氏らと共にパランティアを創業したピーター・ティール氏などが代表的な論者といえるでしょう」 「テック右派のポイントは二つあります。一つは、反リベラルの主張を積極的に展開すること。もう一つは、政府と防衛・軍需産業の融合を掲げていることです」 「ただ、テック右派は政府の硬直化した産業への関わり方を批判しています。彼らには、生成AI開発などの防衛産業と政府の関係を組み直さなければ、台頭する中国の脅威に対抗できないという強い危機意識があります」軍事力で覇権の再建を パランティア社協同創業者の目に入らないのはザッカーバーグ氏は「腹をくくった」 ――リベラルな価値観の象徴のようだったシリコンバレーからこうした主張が出てくることに衝撃を受けています。 「本書にもあったように、シ…この記事は有料記事です。残り1820文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人興野優平文化部|「折々のことば」担当専門・関心分野戦争、核をめぐる問題など関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする