長年、体調不良に悩まされてきた男性。指を強くつまんでも痛みを感じない感覚障害がある=2026年3月26日午後4時49分、千葉県、堅島敢太郎撮影

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「見た通り、外見はほぼ何もないんだけど、色々と問題があるんだ」 自宅を訪ねた記者を前に、千葉県の男性(87)は切り出した。 日常的に手や足のしびれを感じる。熱さや痛さを感じにくい。 耳鳴りが続き、雨の日は頭が締め付けられるように痛くて何も考えられなくなる。就寝中に足のこむらがえりで目が覚める。 慢性的に体の不調を抱える半生だった。「俺は知ってもらいたい」【水俣病公式確認70年アンケート】「未解決」への思い、線引きの内実 不知火(しらぬい)海に面した長島(鹿児島県長島町)で生まれ育った。 毎食決まってみそ汁が出た。不知火海の魚の煮干しを大量に入れてだしを取っていた。行商から買ったイワシなどの刺し身も好んで口にした。突如止まった板書の手 19歳で就職のため地元を離れ、23歳の時から東京都内の自動車教習所で働いた。 指導員として教壇に立ったある日。毎日のように使う用語の2文字目が突然、思い出せなくなった。板書をする手が止まり、講習を一時中断した。 その後も、前触れなく思考が止まるようなことがあった。 26歳で結婚し、墨田区にあ…