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所帯をもち半世紀近く。同郷の夫婦が暮らす団地4階の部屋からは、奈良との府県境の山並みが望める。 大阪府河内長野市の浜﨑兼徳(かねのり)さん(70)と妻の千江美さん(69)はふだん、部屋で静かに過ごす。外出は近くのスーパーでの買い物くらい。古い団地にエレベーターはなく、階段の上り下りに苦労するためだ。 2人は若い頃から手足のしびれに悩み、よくつまずく。年を追うごとに悪化していると感じる。「国にとっては原告が死ぬことが解決なのか」。訴訟を続ける浜﨑兼徳さん(右)と妻の千江美さん=2026年3月24日、大阪府河内長野市、中野晃撮影 生まれ育った集落の眼前には海が広がっていた。20キロほど先に対岸の街が小さく見え、そこに工場があった。 いま、工場を動かした会社や、行政を相手に裁判をしている。自分たちの身体が脅かされていたとは、近年まで夢にも思わなかった。 ふるさとは熊本県天草市新和…