現場から「克服」「乗りこえた」水俣病に関する教科書記述、患者側が異論訴え島崎周印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

[PR]

公式確認から5月で70年となった水俣病に関し、中学校の教科書の記載に患者側から異論が出ている。「公害を乗りこえた」といった表現に、「問題は終わったように伝えられ、被害が矮小(わいしょう)化される」という訴えだ。教科書会社側は、国などの公的な資料に沿った表現とする。 患者・被害者団体でつくる「水俣病被害者・支援者連絡会」のメンバーで元教員の高木実さん(68)は昨夏、各教科書会社による中学校社会科の教科書15冊ほどに目を通した。小中学校の教員を約40年間務め、これまでも違和感を感じたことがあったが、改めて見て表現に驚いたという。 「水俣市は、公害を乗りこえた」「公害問題を克服」「生まれ変わった水俣市」――。 「まるで、水俣病の問題は終わったことのようだ。患者ら当事者はこれを見て、一体どう思うだろうか」 教科書を確認するきっかけとなったのは、家庭教師派遣「トライグループ」(東京)が、「水俣病は遺伝する」という事実と異なる内容の教材をオンライン講座で使っていたことだった。昨年4月に判明し、同社は謝罪、教材は非公開となった。トライ側は中学生の教科書を参考に教材をつくっていたという。 高木さんら連絡会は今回、5社の出版社から出された地理や歴史、公民の教科書で「事実と異なるあるいは不正確な記述」があるとした。連絡会「後ろ向きな国の姿勢が教科書に」 「公害問題を克服」「公害を…この記事は有料記事です。残り2360文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人島崎周東京社会部|調査報道担当専門・関心分野性暴力、性教育、被害と加害、宗教、人権関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする