【動画】女児の遺体が発見された現場から、岡田真実記者がリポートする

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その80代の女性は一人の女の子を忘れられずにいる。 4、5歳くらいで、おかっぱ頭。色白で体は細かった。 話したことはなかったが、家の近くでよく目にした。20年ほど前のことだ。 中小の町工場が多く集まる大阪府八尾市。 細い道を挟み、住宅が軒を連ねる一角に淡黄色の長屋があった。 その子はそこで祖父と暮らしているようだった。 ただ、両親を見たことはなかった。友だちと遊んでいる様子もない。いつも一人だった。 あるときその子が、自宅前で水をまく初老の男性に声をかけていた。 話し相手がほしかったのか。寂しい思いをしていたのだろうと、女性はおもんぱかった。 「れいな」 女の子は自分の名前を、そう呼んでいたと記憶している。 その子が小学生になるころ、ぱたりと姿を見なくなった。 両親が迎えに来て引っ越したのだろうと女性は推し量ったが、なぜいなくなったのか、知ることはなかった。 女の子の名は、岩本玲奈(れいな)さん。 2000年10月に八尾市内の病院で生まれた。 出生届は、母親の住民票と同じ同市内の住所地で届けられ、住民登録もされた。 しかし、当時の近隣住人の50代女性は、そこには玲奈さんの曽祖母が暮らしていたが、玲奈さんや玲奈さんの母親は住んでいなかったと証言する。 女性によると、曽祖母が女性宅を訪ねてきた際、「孫が未婚で子どもを産んだ」と話したことがあったという。 「孫」は玲奈さんの母親、「子ども」は玲奈さんのことだ。 大阪府警などによると、玲奈さんは2歳になるころ、近所を1人で歩く姿が目撃されていた長屋で、祖父や母親らと暮らしていたという。 住民票とは別の場所で、住所の変更届は出されていなかった。 八尾市は玲奈さんが4歳になる04年、2人の住民票を削除した。 「職権消除」という手続きで、住民票の住所地での居住が確認されなければ、自治体は職務権限で住民票を削除できる。 教育や医療などの行政サービスを適切に行うために、住民基本台帳を正確に管理することが目的だが、削除されたままどこにも住民票がない状況は、社会とのつながりが消えることを意味していた。【連載】消された住民票、消えた子どもたち死亡後18年間放置され、遺体で見つかった女児は生前に住民票を消されていました。なぜ長い間気づかれなかったのか。関係者への取材で迫り、消された子の独自調査などから、住民票削除の手続きについて考えます。住民票を削除された子、197人が行方わからぬ可能性 朝日新聞調査 この年のころ、玲奈さんの生活に変化があった。 母親が玲奈さんを祖父に預け…