深掘り第10回母と離され、死に際まで会えず カルテ600枚が語る成年後見の死角編集委員・森下香枝印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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認知症などで判断能力が十分でない人をサポートする成年後見制度を、約四半世紀ぶりに見直す改正民法が今国会で成立した。だが、改正後も解決が見通せない課題も残っている。引き離されたある親子のケースを取材して見えてきた法の「死角」とは。 今年3月24日、横浜市内の病院を宮川絵美子さん(56)が訪ねた。突然の別れから4年9カ月。ようやくたどり着いた母、美匂子(みわこ)さんの病室だった。 久しぶりにみる母は、絵美子さんの記憶にある母ではなかった。瞳孔の反射はなく、死の淵にあることは明らかだった。以前は45キロ弱だった体重は30キロに。不自然に盛り上がったシーツをめくると、左足のふくらはぎが腹部にくっつくほど、ひどく曲がって固まっていた。 親族らに見守られる中、母は息を引き取った。享年87。 英語とスペイン語が堪能でクリスチャンだった母。葬儀は生前、母が熱心に通っていた鎌倉の教会で行った。 4年9カ月前、母の介護を担っていた絵美子さんが「虐待」の疑いをかけられ、居住地だった横浜市戸塚区の権限で母は家族から引き離された。絵美子さんは虐待を否定したが疑いははれず、戸塚区は区長の権限で成年後見の開始を横浜家庭裁判所に申し立てた。 後見人についた弁護士は母のお金の管理や施設・病院との契約などを行うことになり、母の通帳類などを預かった。絵美子さんら家族には死の直前まで母の居場所を教えなかった。 母が亡くなった翌月、絵美子さんは兄(60)と一緒に後見人だった弁護士と面会した。生前の母の様子を尋ねたが、「(自分は)金銭管理がメインの業務」として詳しくは教えてもらなかった。 母は死に至るまでどこでどう過ごしていたのか。絵美子さんは行政や施設、病院など関係したところに情報開示を求めると、母が入院した4カ所の病院から、カルテや看護記録の写しなど約600枚に及ぶ資料が全面開示された。 そこには長年にわたって親子が会えなかった理由や、その間の母の様子を知る手がかりが記されていた。 病院から開示されたカルテなど約600枚の資料をひもとくと、消えた母の足跡と、成年後見制度に潜む「死角」が浮かび上がってきました。記事中の動画では、絵美子さんが母への思いや情報開示の経緯などを語ります。■戸塚区による「行政措置」で…この記事は有料記事です。残り2338文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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この記事を書いた人森下香枝編集委員|ここからTIMES編集長専門・関心分野終活、中高年のセカンドライフ、事件など関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする