インタビュー世界は「国連以前」に戻るのか 浅田正彦さんが語る法の支配の現状聞き手・田中恭太印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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国連憲章は他の主権国家への武力行使を原則禁じています。しかしトランプ米政権はイランを繰り返し攻撃し、ルールに基づく国際秩序が危険にさらされています。「国連発足前の世界への後戻り」を危惧する同志社大の浅田正彦教授(国際法)に、詳しく話を聞きました。【連載】帝国の幻影 壊れゆく世界秩序 ――2月の米国とイスラエルによるイラン攻撃をどう見ましたか。 資産家ジェフリー・エプスタイン氏との関係に再び注目が集まるなど、11月に中間選挙を控えるトランプ米大統領にとって不都合な事情が出てきていました。そうした中で、イスラエル側の強力な誘いもあって、軽率に攻撃の判断を下した印象があります。「法」→「力」の世界に ただ、その影響は甚大です。世界が1945年の国連発足前、もしかすると19世紀以前の世界に後戻りする恐れさえある状況を作り出しました。つまり「法」が支配する世界ではなく、「力のある者や強い軍事力を持つ強大な国は何でもできるし、何をしても許される」という「力」が支配する世界への回帰です。 戦後の国際法に基づく秩序の根幹である「武力不行使」が正面から否定され、しかも(イラン攻撃は)戦後秩序を構築した象徴的存在である米国の行動でした。ウクライナ侵攻を続けるロシアに続き、もう一つの大国である米国が当事者になったことも重大です。昨今起きている法の支配をめぐる他の諸問題の重大さを曇らせるほどの衝撃があります。 ――2003年にあった米国のイラク侵攻時とは何が違うのでしょう。当時も国連軽視や、国際法違反だとの批判がありました。 当時のブッシュ政権は、最終的には国連安全保障理事会を無視しましたが、安保理を関与させながら何とかしようとする努力は重ねていました。パウエル国務長官(当時)も安保理で説明をしましたし、同盟国の英国も攻撃を支持しました。今回はそういった要素が、ほぼありません。米国の説明が「十分でない」わけ ――一方、米国は安保理で…この記事は有料記事です。残り1149文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人田中恭太ニューヨーク支局専門・関心分野国連、米国社会、国際情勢、裁判、独占禁止法関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする