[PR]
外交史の研究で知られる細谷雄一・慶応大学教授(国際政治)は、国連を大国間の協調と共同体としての国際社会を融合させるシステムだと位置づけます。安全保障理事会常任理事国の拒否権はなぜ必要とされたのか、第2次大戦後の国際秩序が危機に直面する中で中小国は自らを守ることができるのか、詳しく聞きました。【連載】帝国の幻影 壊れゆく世界秩序 ――国際秩序の現状をどう見ていますか。 第2次世界大戦中、当時のルーズベルト米大統領が唱えた「4人の警察官」、つまり1942年の連合国宣言に署名した米、英、ソ連(現ロシア)、中国の4カ国のうち3カ国が、国連憲章で禁止された力による現状変更を試みています。力持たぬ国が大国の餌食となる時代 現状に問題があるなら、力ではなく法の支配に基づいて解決することが国連憲章の理念でした。その根幹を揺るがしたのが2022年のロシアによるウクライナ侵攻です。十分な力を持たない国が大国の力の餌食となる時代になったのです。 米国によるベネズエラ侵攻やイランへの攻撃は、今のパワーポリティックスの象徴でしょう。中国も南シナ海、東シナ海で力による現状の変更を試みています。我々は新しい、戦争の時代に入ったことを認識しなければなりません。 ――危機はいつ始まったのでしょうか。 17年に1期目のトランプ政…






