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今が見ごろのアジサイは、愛知県が鉢植えの出荷量、栽培面積ともにダントツの全国トップだが、これまで新品種の開発では後れをとっていた。その愛知県で初となる新品種がこのほど発表された。なぜ今まで新品種は生まれなかったのか。そこには「ならでは」の事情も見え隠れする。 5月27日、愛知県庁で新品種「ハイドラ愛知1号」を発表する記者会見が開かれた。「これは売れる」 新品種は、小さな花が鞠(まり)のように咲く人気の「てまり・八重咲き」で、鮮やかな青やピンクと白い縁取りとのコントラストが際立つのが特徴。近年の温暖化を背景に、暑さに強く栽培しやすいのも売りだ。 開発に協力したアジサイ生産者の鈴木康久さん(53)は「これは売れると思います」と喜びつつ「(新品種開発を)首を長くして待っていた」と感慨深げに話した。 県が生産者らでつくる研究会とタッグを組んで新品種開発に取り組んだのは2020年。以前から、生産者の要望はあったが、開発スタートまでには時間がかかった。「花の王国」ならではの事情とは その背景には、愛知県ならではの事情がある。 県の調査では、鉢物アジサイの出荷量(23年産)は約135万鉢と2位の群馬県(27万鉢)に大差を付けている。 ただ、愛知はアジサイだけでなく、キク、バラ、シクラメンなどの産出額が日本一だ。花全体でも、産出額が531億円(24年)と全国トップで、2位の千葉県の2.5倍以上。日本一は1962年から続き「花の王国」を名乗っている。 それだけに、県の関係者は「全国一の品目も多い中で、どの育種(品種改良)に取り組むかはなかなか悩ましい」と明かす。これまでの新品種開発はキク、バラ、カーネーションなどが先行しており、アジサイは着手できずにいた。「母の日の需要」追い風に 潮目が変わったきっかけは、母の日だ。 これまで母の日商戦の定番はカーネーションだったが、2010年代後半ごろから、「新定番」としてアジサイ人気が高まってきた。他県の公的機関が開発した品種はその県の農家しか栽培できないため、生産者から「母の日需要で消費拡大を喚起できるような愛知独自の新品種を」との声が上がり、開発が決まったという。新品種どうやって開発? 愛知県にとってアジサイの新…この記事は有料記事です。残り440文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人寺西哲生名古屋報道センター専門・関心分野多文化共生、働き方改革、教育関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする