2026年6月8日 18時00分佐藤常敬印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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農業の担い手不足が課題となる中、新人農家の呼び込みに成功した地域がある。鳥取県倉吉市の倉吉西瓜(すいか)生産部会。新規就農者の定着率100%を達成し、最盛期から半減していた販売額もV字回復。今年の日本農業賞(JA全中など主催)の大賞に選ばれた。「日本一」に押し上げたのは、持続可能な産地づくりのモデルだ。独自の就農支援 倉吉スイカは、大玉でシャリっとした歯ごたえがあり、皮の近くまで甘みが広がる。今年も27日から全国に向けて出荷が始まった。 味はもちろん、特筆すべきは独自の就農支援体制だ。2019年から25年まで県内外から迎えた40人の新規就農者が一人も欠けることなく地域に根付き、生産者全体の3割強を占める。定着率100%の仕組み この定着率100%を支えているのが、実践的なノウハウの共有と農地の継承を組み合わせた仕組み。 ベテラン農家が「親方」となり、2年間マンツーマンで栽培技術を伝授する。指導の様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で新規就農者向けに公開し、技術の見える化も進める。 農地と若手のマッチングにも取り組む。高齢化などを理由に規模を縮小する農家から、水はけが良くスイカ栽培に適した農地をリスト化し、若手に優先的にマッチングする。 未経験者でも、安定した技術指導を受けながら営農をスタートできる。宮坂真生部会長(50)は「就農者が次の新たな就農者を呼び込む好循環も生まれている」と話す。 若く意欲的な担い手の増加は、産地の再生に結びついた。2013年に89ヘクタールまで減少した栽培面積は、25年には102ヘクタールに。販売額も2003年の約7億7千万円を底に、25年には過去最高だった1995年の約16億円に迫る15億2千万円に達しV字回復を果たした。日本農業賞大賞を受賞 取り組みが認められ、地域活性化に貢献する農家などを表彰する日本農業賞の「集団組織の部」で全国92件の応募の中から大賞に選ばれた。倉吉市の広田一恭市長から「名実ともに日本一のスイカになって誇らしい。全国に大いにアピールして」と激励されると、宮坂部会長は「時代や環境の変化に対応し、若い担い手と産地をさらに盛り上げたい」と決意を語った。出荷本番、品質上々 5月25日には、本格的な出荷シーズンを前に品質を確認する査定会が市内の選果場で開かれた。生産者やJAの担当者らが集まり、プロの目で厳しくチェックした。 会場には様々な等級のスイカが並び、生産者たちは一つひとつを手に取って「実の詰まり具合」や「果肉の色み」などを念入りに確認。今年のスイカは平均糖度が11・9度、中には13・5度に達する玉もあり、上々の出来だった。 宮坂部会長は「今年も自信を持ってお届けできる、おいしいスイカができました。ぜひ、多くの皆さんに食べてほしいです」と話す。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする