ストーリー「差別を助長」「障害者の支援をまず整えるべき」 反対一色の委員会ノンフィクション作家・下山進印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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第5章 小児科医も反対の陣営に加わる その2成人以降も生存が予測される筋強直性ジストロフィーの「着床前診断」を承認すべきか、否か。結論は公開の倫理委員会に持ち越される。その第一回は、反対論一色であった。 承認すべきか、せざるべきか。 2004年7月2日と7月13日に行われた公開倫理委員会には、「SOSHIREN 女(わたし)のからだから」の米津知子や「優生思想を問うネットワーク」の利光惠子ら女性団体、そして「青い芝の会」、名古屋市立大学の申請例を否定的に報じた読売新聞の増田弘治ら大勢のメディア陣がつめかけた。 会場は、早稲田大学文学部近くの全国障害者総合福祉センター戸山サンライズ。反対論一色の公開倫理委員会 委員会では、まず司会が、これまでの経過をのべた。 今日の視点からみて注目すべきは、ここで、「重篤な遺伝性疾患というものに関する定義は学会でも実はされていない」ということをはっきりと認め、小委員会の議論の中で、「成人に達する前までにお亡くなりになるような状態の病気であるとか、成人に達する前に非常に重篤な状態になって普通の生活ができなくなる、それをひとつの基準にしたらどうか」ということが決まっていったことを述べている点だ。 これは委員だった齋藤加代子が証言しているように、名古屋市立大学のケースは承認すべきではない、ということから決まっていった。 名古屋市立大学の筋強直性ジストロフィーの患者である男性は36歳で、筋力の低下に気付いたのは20歳代の後半、だから「認めるべきではない」と齋藤が主張したことはすでに書いた。 慶應のケースは、その条件にてらしても認められると司会は報告をし、すぐに会場からの意見を募った。 最初に挙手をしてあてられたのは「SOSHIREN 女(わたし)のからだから」の米津知子だった。 米津は、名古屋市立大学の例についてではなく、「まず着床前診断の実施そのものについて意見を申し上げたい」として、それ自体に反対の意見を述べた。 米津は「子供を選ぶというこ…この記事は有料記事です。残り2736文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする